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感染した利用者3分の1が死亡 宮古島の高齢者施設、死者9人に

2021年2月20日 06:23

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した宮古島市内の高齢者施設で、施設を利用する80~90代の高齢者9人が亡くなったことが19日明らかになった。感染は職員13人と利用者27人の計40人に広がり、感染した利用者の3分の1が命を落とした。県によると、県内で過去に起きたクラスター123例中9人の死者は最多という。

新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 9人中、県が19日に死亡を発表した6人は、感染拡大による島内の医療機能逼迫(ひっぱく)で入院できず、施設で療養中に最期を迎えた。ただ、施設内でも応援の医師や看護師らが酸素吸入など必要な治療はしており、県の糸数公保健衛生統括監は「病院と同様の治療は行われていた」と述べた。

 糸数氏は、同施設で死者が最多となった背景を「基礎疾患がそれぞれあり、重症化リスクが高い人の集まりだったことが大きい」と説明。2~9日に亡くなった6人の発表は保健所への連絡に時間を要したため遅れた。糸数氏は「今後は間を置かず発表したい」との認識を示した。同施設で2月中旬以降、新規感染は確認されていないという。

 島内にも、衝撃は広がった。市内で介護施設を運営する男性は感染拡大を責めることはできないとし「高齢者は死亡率が高く、人ごととは思えない」と話す。宮古地区医師会の岸本邦弘副会長は、介護職員はリスクの高い高齢者と接する職種で「早急に全職員の定期検査が必要だ」と指摘。無症状者や軽症者から知らぬ間の感染を防ぐためにも「今回の事例を今後に生かすべきだ」と語った。

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