[スポーツ指導 私の提言](1)

 県立高校2年男子の運動部主将の自殺を受け、スポーツ関係者や識者は何を考えたのか。問題点や提言を聞いた。第1回はバレーボール女子元日本代表の益子直美さん(54)。自身の経験を基に再発防止への思いを語った。

 最悪の事態がまた起こってしまい、非常にショックを受けた。2012年、桜宮高バスケットボール部顧問の行き過ぎた指導で起きた主将の自殺から全く進んでいない。ここで食い止めないといけない。

 私も怒られる指導を受けてきた。ミスすると怒られる。ほとんど毎日ぶたれた。文句を言わず、親も「先生にお預けしたから」と疑問を持たなかった。

 「何で思い切りやらないんだ」。そんな怖く言われたら思い切りできるわけがない。威圧感や恐怖心からチャレンジできない。やめたくても、みんな一緒に殴られていて、チームスポーツで1人だけ逃げるのは簡単ではない。

 そんな指導では、自主性や主体性がどういうものなのかすら分からない。社会人になってから「バレーを楽しめ」と言われて、「楽しむって何?」。自己肯定感が低く、試合がずっと怖かった。苦しかった。

 パワハラの指導で実力が上がった選手がいるかもしれないが、私みたいに大人になっても苦しむ選手もいる。監督にはお世話になったし、感謝もしている。でも、未来のスポーツ界のため立ち向かっていかないといけない。技術的なことは指導してもらったが暴言、暴力については否定する。...