沖縄市中央パークアベニューにこのほど、スケートボード場「SKATE CLUB ORION」がオープンした。もともとショークラブだった建物を、プロスケートボーダーの才哲治さん(42)=読谷村=らが改装。県内では唯一の室内練習場として、地域の子どもや市内外の愛好家に親しまれている。才さんは「子どもたちの遊び場を街中に作りたいとの思いで建てた。地域の居場所として発展できれば」と意気込む。(中部報道部・豊島鉄博)

 同施設はもともと、2019年6月から運営していたスケートボード施設「KoZa SK8 Ramp(コザ・スケート・ランプ)」が前身。室内練習場を設けにぎわっていたが、スペースが狭いことが課題だった。

 そんな中、1973年頃開業し、25年ほど前までフィリピン人女性らで営業されていた、コザ・スケート・ランプのはす向かいにある「ショークラブオリオン」の店舗跡地を地域住民に紹介された。クラウドファンディングも活用し、全面的に改装。1月から新たにスケートボード場として生まれ変わった。

 1階には高さ約1・8メートル、幅約4メートルのクオーターパイプと呼ばれるU字型の練習台など、ストリートコースを再現。かつて店舗オーナーが住んでいた2階は、ふすまなどはあえてそのままにし、雰囲気を残している。

 才さんによると、スケートボードは東京五輪で新たに正式種目として採用され、全国的に競技人口が増加。密にならず、接触も伴わないことから、コロナ禍で始める人が特に増えたという。県内の競技人口はコザ・スケート・ランプができた2年前の500人から2倍の約千人に増加したとみられる。

 高校受験を終え、友人とスケボーをしていた安里大希さん(15)=安慶田中3年=は「コロナで学校が休校になった去年の春頃から始めた。ここは室内だけど、広くて滑りやすい。これからも技を磨きたい」と笑顔を見せた。

 国内外の大会で数々のタイトルを獲得してきた才さん。だが、少年時代は「自分に自信を持てず、どちらかというと根暗だった」と語る。そんな自身を変えたのが18歳から始めたスケボーだった。「スケートボードによって人とのコミュニケーションの取り方なども学べた。今後はスクールやイベントを開いて、コザのまちと共存していきたい」と抱負を語った。

 営業時間は午後2時から午後10時(緊急事態宣言期間中は8時まで)。水曜定休。利用料金は小中学生300円、高校生400円、大人600円。女性の利用や、2時間以内の利用は200円。スケートボードやヘルメットのレンタルもできる。