病気で他界した教員の與那覇澄子さん(享年79)の遺志を受け、図書購入費1千万円が寄付された沖縄県うるま市立中原小学校の図書館で2日、本年度購入した550冊を収蔵した「澄子文庫」のオープニングセレモニーが行われた。同小は與那覇さんが1994年から2年間、教頭として勤めた学校。生前に親交があった関係者らが参加し、図書の寄贈に感謝しながら、故人をしのんだ。

「澄子文庫」のオープニングセレモニーに出席した関係者=2日、うるま市・中原小学校

「澄子文庫」のスタンプ

「澄子文庫」のオープニングセレモニーに出席した関係者=2日、うるま市・中原小学校 「澄子文庫」のスタンプ

 同校で教頭を務めた與那覇さんは離任後も同校や保護者と親交を深めていた。病気になり「万一の際は中原小に1千万円を贈り図書購入費に充ててほしい」と伝えられたため、昨年1月に亡くなった後、遺言通り1千万円が寄付され、図書購入に至った。

 学校や市教育委員会では與那覇さんの遺志を児童、職員らに長く伝えたいと図書室内に「澄子文庫」を開設。これまでにお話し会、感想文の展示、先生方やボランティアが読み聞かせをする「澄子文庫まつり」も開かれた。

 玉城和機教頭が長さ約140センチの琉球松に「澄子文庫」の文字を彫り、生前の写真と文庫設立の経緯を記した紹介板も設置。蔵書には「澄子文庫」のスタンプもあしらわれた。

 2日のセレモニーには同校児童や嘉手苅弘美市教育長、当時の保護者らが参加。夫の朝一さん(83)に感謝状を手渡した嘉手苅教育長は「文庫が開設でき感無量。本は多くの想像を生み、夢を実現する。澄子先生からの本を読み大きく羽ばたいてください」と児童に呼び掛けた。

 目取真淳校長は「今後も本を増やして文庫を充実させたい」と遺志を受け継いだ。

 朝一さんは「澄子も文庫開設の夢がかない喜んでいると思う」と涙を見せた。

 児童代表の中田開斗さん(12)は「これから澄子文庫を利用して本をたくさん読みます」とあいさつした。(翁長良勝通信員)