2018年9月に、北海道胆振東部地震で被災した知念メンドーザ麗子さん。被災したからこそ感じる、避難の際や避難所生活において「持っていて良かった身近なもの」を紹介する。(文・知念メンドーザ麗子)

アメで空腹をしのぐ

北海道での被災者生活は3日間でしたが、実際に整った環境の避難所で過ごしたのは約半日だけ。千歳空港に着いてから2日間は床で眠り、あとはどうなるか分からない状態でした。

そんな中、旅先で持っていて良かったものもあります。例えば現金。停電したコンビニはレジが使えず、クレジットカードも使えませんでした。自動販売機でも、最も価値のある1万円札より、小銭の方が役立ちました。実際、小銭がなくて諦める人もいました。

お風呂は沖縄に帰ってから、5日ぶりに入ったのですが、その間は除菌シートやウエットティッシュなどで体を拭いていました。

また、アメ玉も、のどの渇きと空腹をしばらくの間はしのぐのに有効でした。

これらはささやかなものではありますが、被災時の疲弊した気持ちを安らげるなど、とても活躍してくれました。

災害が来ても「なんくるないさぁ」と考えている人が多い沖縄の県民性。現実はそうはいかないということに想像力を働かせて、皆さんで備えていてほしいと思います。

【被災して感じた“持っていて良かったもの” 】

◆現金(小銭)

 

コンビニが開いていても、停電やインターネットの不具合でクレジットカードなどのキャッシュレス決済ができず、現金のみの取り扱いでした。自動販売機で飲み物を購入する際も、大きな金額のお札ではなく小銭を持っていて良かったです。

◆ソーラー式の充電器

 

避難所ではスマートフォンなどを充電するための部屋が混雑していました。電源をめぐっての小さな争いも目撃しましたし、現在なら3密の状態でもあります。当時の私は持っていなかったのですが、手のひらサイズの太陽光発電による充電器やバッテリーも有効だと思います。

また、車の中でUSBポートを使って、充電する姿も何度か目にしました。車中泊をする際には、冷・暖房、充電の手段にもなる車の燃料をチェックしておきたいですね。

◆コンパクトな荷物

地震だけでなく、台風や津波、土砂災害も含めて、明日はわが身という意識は大切。いつ、どこで災害に遭うかも分からないので、私は旅先でも荷物はなるべくコンパクトにしておくように心掛けていました。おかげで、避難所生活や急な移動の際にも苦労しませんでした。

◆複数の移動手段

 

旅に出る前、宿泊先から空港までの移動手段について、幾つかのパターンを調べておいても良いかと思いました。私の場合はホテルから空港まで運良くタクシーに乗れましたが、もしタクシーに乗れなければ、ホテルで足止めされ、沖縄に帰るのもさらに先になっていたと思います。

しかし、ホテルに着いてすぐ、非常口や避難経路を確認していたのは良かったです。タクシーに乗れたのは、地震直後、迷うことなく非常階段で部屋からロビーまで迅速に避難できたからだと思います。

◆ウエットティッシュ

 

被災後の数日間を過ごした避難所や空港は、十分な水が使えず、お風呂はもちろん、洗面や手洗いなどにも困る環境でした。そこで役立ったのが、ウエットティッシュや除菌ティッシュ、スポーツ後に使うようなボディーシートなどです。これらを使って体を拭くだけでも、多少の気分転換になりました。しかし、高温・多湿の環境なら、不快感に耐えられなかったでしょう。

◆ビニール袋

ごみ袋や、施設での靴入れ、床に敷いたりしたほか、寒い時に上からかぶって暖をとる、雨天時はレインコートにするなど、いろいろな場面で役に立ちました。かさばらないので、大きいものと小さいものを持っておくといいと思います。

◆アメ玉

 

日持ちのする食料やお菓子、アメ玉を持っていたおかげで、しばらく飢えをしのげました。泣いている子どもや、若い女性にアメ玉を分けると、その甘みからか安らいだ表情になってくれました。

 

ちねん・メンドーザ・れいこ/NPO法人防災サポート沖縄防災リーダー、沖縄市消防機能別団員(通訳・その他)

※週刊タイムス住宅新聞1831号(2021年2月5日発行)紙面より転載