第164回芥川賞は21歳の新鋭、宇佐見りんの「推し、燃ゆ」に決まった。「アイドルを応援する作業に没入する少女」という、いかにも現代的なカルチャーの部分ばかり切り取られがちだが、瞠目(どうもく)すべきは、「推し」以外の物事から目を背けざるを得ない語り手・あかりを巡る状況だろう。