省吾(しょうご)が初めて刺青(いれずみ)を入れたのはたしか十五歳のときだった。プロに頼む金もなく、裁縫用の針と墨汁を使って自分で自分の肌を傷つけた。  絵心のないガキが入れたものだから、今から見ると稚拙な落書きのように映る。とうぜん他人に見られるのも嫌なので、夏場でも長袖を着ていた。