【東京】名護市辺野古の新基地建設を巡る土砂採取に関し、防衛省が2019年に実施した県内採石業者へのアンケートで、本島南部地区の13業者から「出荷可能」との回答を得ていたことが28日、分かった。

県内の埋め立て土砂採取場所と調達可能量

 県は沖縄戦戦没者の遺骨を含む可能性がある南部地区からの採石制限を検討する考えを示しているが、すでに採石業を営んでいる業者もあり、新規業者だけが対象となれば公平性の観点から議論を呼びそうだ。

 アンケートは県内の土砂調達場所を検討するため実施。同省によると、受注業者が19年6月ごろ、関係法令で認められた県内81採石業者を対象に行った。

 このうち28業者から「出荷可能」との回答を得た。これとは別に、1業者から「出荷可能」との情報提供があった。企業名は明らかにしていない。

 29業者のうち、南部地区は13業者。同省はアンケートを踏まえて候補地を選定し、変更承認申請書では、調達可能場所として南部地区(糸満市、八重瀬町)を盛り込んだ。

 計画変更後の南部地区からの土砂の調達可能量は3159万6千立方メートル。県内調達可能量の7割に当たる。調達先は「工事の実施段階で決まる」としており、現時点では未定だ。

 県は沖縄戦犠牲者の遺骨を含む可能性のある南部地区の土砂採取について「到底認められない」(玉城デニー知事)との立場。沖縄戦跡国定公園の風景を保護するため、自然公園法に基づき採石制限を検討する考えを示している。

 だが、国定公園内ではすでに開発されている鉱山もある。新規参入の業者だけを制限することになれば、法律の恣意(しい)的運用の懸念も残る。(東京報道部・嘉良謙太朗)