[うちなー記者の海外取材日記](3)

 2003年のイラク戦争で米軍に同行取材したときは「人生で最も緊張を強いられた」と思った。だが戦後のイラク取材の緊迫感はそれを上回った。いつ、どこでテロが起きるか分からない恐怖を味わった。

 戦争で独裁的な政権が倒れ、当初は多くのイラク人が喜んだ。旧政権の支持者や、駐留米軍に反発するイスラム武装勢力によるテロで、平穏な日々は数カ月で破られた。

 取材の拠点は首都バグダッドのホテル。この年11月の朝「ドスン」という音で飛び起きた。隣りのホテルから煙が上がった。通りにロケット弾の発射装置がころがっていた。一歩も外出できない日が続くようになった。現地で出会った日本人ジャーナリスト2人は翌年、移動中に襲撃されて命を落とした。

 米国が開戦理由とした「イラクの大量破壊兵器」は見つからなかった。いったん政治体制が崩れた国の混乱は簡単には収まらない。暫定的な政府となる統治機構がつくられたが、それまで抑え込まれていたイラク各勢力の内部対立があらわになった。

 イラク戦争には、単身赴任中のパキスタンから出張した。戦後は、03年8月に家族で赴任したエジプトから出掛けた。東京にいた家族に転勤を知らせると、...