[女性クライシス]

 思い通りにならない認知症の夫の言動に苦しみながらも、家での世話を一身に背負った妻。周囲の助けを得られないまま追い詰められ、無理心中という最悪の選択で17年に及ぶ介護生活に終止符を打った。「私の独り善がりな考えだった」。命を取り留めた妻の深い悔恨は、家族介護がいまだ女性に偏在する社会にも重い問いを投げ掛けている。(学芸部・新垣綾子)...