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 糸満市の採掘業者が沖縄戦跡国定公園内の「魂魄(こんぱく)の塔」近くで計画する鉱山開発への反対の声を踏まえ、玉城デニー知事が「どのような対応が可能か全庁的に検討する」と言及したことで、県が前例のない自然公園法33条2項に基づく禁止や制限などの措置命令を出すかに注目が集まっている。国の処理基準は、採掘が眺望に著しい支障を及ぼすかなどを審査し、尾根の著しい改変など風景を守る必要があれば可能とする。県自然保護課はこれを参考にする考えだが、「眺望を守る具体的な基準は固まっていない」とし、規制できるかは不透明だ。(社会部・山城響、政経部・大野亨恭)

 環境省によると、確認できる2010年度以降、全国でも国定公園での規制はない。国立公園では19年度に17件あった。うち、12件は三重県の「伊勢志摩国立公園」が対象で、いずれも太陽光発電装置の撤去を求める内容だったという。

 沖縄戦の激戦地だった本島南部では、戦没者の遺骨が多く見つかっている。開発予定地でもこれまでに複数の骨片が見つかった。

 玉城知事は開会中の県議会2月定例会で、名護市辺野古の新基地建設で南部地区から埋め立て土砂が採取される可能性があることに、「県民の心を深く傷つける。到底認められない」とくぎを刺した。

 一方で県幹部からは、「採石を認めない場合は私権の制限にも関わってくる」との声も上がる。

 自然保護課は「慰霊搭がすぐそばにあり、他の鉱山開発より景観を守る重要性が高いという考え方はある」と話す。...