■変わる学校教育

 ────家庭科や技術が男女一緒になるなど、学校も変わってきたように感じます。

 「ある高校で弁当を買おうと並んでいたら、男子生徒が『先生、弁当作ってないわけ? 旦那さんかわいそう』と言う。『なんで。私は弁当チクヤーねえ?』と聞くと『女さー』と。とても印象的でしたね。これは学校教育の入り口で『男の塊』『女の塊』をつくることから始まっています。出席簿、ランドセルの色、髪形や服装。男はこう、女はこう。人格形成が始まる学校教育の中でそれが培われ、延々と続いていく。大きな責任を感じます」

高教組の専従会議で役員らと話し合う安次嶺美代子さん(中央)=2003年、那覇市・教育福祉会館(週刊ほーむぷらざ提供)

 ────県内での混合名簿の普及状況はどうですか。

 「世界で男女別の名簿を使っているのは日本含めわずか数カ国。『男性を先にすると成績が上がったのか』と聞かれたこともあります。現在、県内の小中学校での混合名簿採用は88%ですが、国や県の指導の結果で自主的ではない。大切なのはそれで終わりではなく、その意味を考えること。最近は“森発言”でジェンダー平等の後れを世界に露呈しましたが、根本的な理論学習がなければ国際的な後れは取り戻せない」

 「遅々とした現状に『イッター、勝手シェー』と言いたくなることもあります。でも教え子や子、孫を思えば、諦めるわけにはいかないな、と。すぐ元に戻ってしまうから言い続ける。変えるとは、そういうことだと思います」

あしみね・みよこ 1946年、宜野湾市出身。沖縄国際大学卒。87~89年に沖教組女性部長、2002~04年に高教組委員長。県内で女性教育問題研究に携わり、意識啓発してきた。教員退職後もジェンダー問題だけでなく米軍基地や人権、平和、憲法問題など精力的に活動を続けている。

 ■インタビューを終えて 

 終始穏やかな口ぶりでしたが、その内容は働く女性の先輩が、今では当たり前の権利を獲得するために歩んできた険しい道のり。「昔は…」と思い返すのは簡単ですが、一つ一つの「合理的理由なき区別=差別」に直面し、打破してきたパワーに敬服しました。個の訴えが集まれば、社会を変える力となる。「男女」から「レインボー」へ時代が動く中で、声を上げ続けるべきことがまだまだあると肝に銘じました。(社会部副部長・儀間多美子)

▼そのほかのインタビューは下記から

>>沖縄2人目の女性副知事「チャンスにNOと言うまい」東門美津子さん

>>現場で働きたい女性の思いを後押し 丸元建設社長の糸数幸恵さん

>>男性と同じ土俵「必要ない」 社会保険労務士の青山喜佐子さん

>>「聞いた以上、放っておけない」2つのNPO法人を掛け持ちする糸数未希さん