注目の沖縄アーティストを沖縄カルチャーの広告塔 幸田悟がインタビューで深掘りする連載企画「幸田悟の沖縄音楽旅行+プラス」第三弾は、14枚目のオリジナル・アルバムをリリースしたHYへのスペシャル・インタビューをお届けします!!
■自分たちの音楽を届けたい
2020年は20周年として予定していたツアー、HY主催のフェスなどがコロナ禍で延期。誰もが苦しいときだからこそ、自分たちの音楽を届けたいと6月から5か月連続で生配信ライブ「HY HOME LIVE」を敢行。さらに9月から2021年1月にかけて、アルバムの収録曲から1ずつを5か月連続で配信リリースするなど、できることをコツコツと積み重ねてきました。この期間を制作期間にも充て、彼らが伝えたい思いとじっくり向き合う時間としたそうです。そして2021年、21年目の新たなスタートを飾る彼らのニューアルバム『HANAEMI』が2月24日にリリースされました。HYが楽曲に込めた思いとは……。

───2020年は、コロナ禍に見舞われ、予定していたイベントやフェスも見送りになるなど活動が制限された一年でした
名嘉俊 とにかくポジティブに考えようと思いました。時間ができた分、曲作りの精度を上げたり、普段はやらなかった畑仕事をしてみたりしました。ただ、いろんなライブが延期になっていくのはさすがに辛かったです。
許田信介 いつもと変わらないスタンスでいきたいと思ってたんですけど、ライブやフェスが軒並み延期や中止になるなかで、若干折れかけた自分がいました。ふだんは、結構切り替えが早いタイプなんですけどね。日サロに入ってないからですかね(笑)。いろんなことに挑戦して、いろんなことに気づきがあった一年でした。
新里英之 これまで、やりたかったことをやりはじめました。3年前に買ってそのままだったキャンバスを引っ張り出し、絵を描きました。それをカメラで撮影し編集し動画をアップデートし、みんなに届けたんです。絵の他にDIYも配信しましたね。そのおかげで、動画の編集テクニックも覚えることができました。
仲宗根泉 初めて娘とゆっくり過ごすことができました。一緒にクッキーを焼いたり、時間をかけて遊んだり。娘もとても喜んでくれてます。娘を寝かしつけたあとは、自分と向き合う時間。ほんと、久しぶりに自分自身ともしっかり向き合うことができました。
────そのなかで6月から5か月連続で生配信ライヴ「HY HOME LIVE」を開催しました
新里 ほんとにやって良かった。インターネットを通じてファンのみんなと繋がれたのが一番良かったと思います。
名嘉 ライブが再開しても、ライブに来れない方は配信で楽しんでいただくとか、オプションが増えました。
────さらに9月から2021年1月にかけて、アルバムの収録曲から1曲ずつを5か月連続で配信リリースしました
名嘉 このコロナ禍をファンのみんなとともに乗り越えられたらいいなという思いで配信しました。その時期の社会の流れ、バイオリズムに併せてメンバーで楽曲をセレクトしたんです。僕たちの思いがタイムリーに届けられたと思います。
────ファンの間でも新しいアルバムに対する期待感が高まるなかで、アルバム『HANAEMI』をリリースしました。今回の作品に込めた思いとは
許田 アルバム1曲ずつをひとつの花として全10曲を花束に見立て、このアルバムを受け取った人が笑顔になるようにと『HANAEMI』というタイトルをつけました。
名嘉 ジャケットには、各曲のテーマとなっている花を瓶に詰め込んだHYメンバー手作りの「ハーバリウム」を使用してます。またこのアルバムの曲を楽しんでもらえるように、各楽曲ともに「花」、「言葉」、「色」を設定してます。それぞれの歌のイメージを膨らませて楽しんでもらえればと思います。