「デニーさん、助けてぃくみそーりよー」。沖縄県那覇市の県民広場で2日、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(67)の力強くも、悲しげな訴えが何度も響いた。沖縄戦時の遺骨が残る本島南部の土砂を、名護市辺野古の新基地建設に使わせまいと始めたハンガーストライキ2日目。玉城デニー知事に島言葉で発した「助けて」との訴えは、沖縄戦で生き埋めになった家族の叫びだった。

沖縄本島南部の土砂採取断念を求めるハンガーストライキで「助けてぃくみそーれ(助けて下さい)」と、戦没者の言葉で玉城デニー知事に訴える具志堅隆松さん=2日、那覇市・県庁前

 糸満市束里の「山城壕」で昨年2月末、厚生労働省の事業で遺骨1柱が収集された。家族5人が生き埋めになったとの証言があり、桃原さん一家とされる。祖母と母、きょうだい4人のうち外に出た娘1人を残し全員が生き埋めになった。

 沖縄戦当時、住民らが救助を試みたが、米軍の砲弾で崩れた土砂や岩を撤去できなかった。中からは「助けてぃくみそーりよー」と母親の叫びが響き、2~3日後に途絶えたという。

 知事に向けた「助けてぃ-」の言葉に犠牲者の思いを込めた具志堅さんは「他の場所でも生き埋めになった家族がいる。沖縄防衛局の計画で辺野古の海に埋め立てられるかもしれない」と訴え、「法的にどうではなく人道上の問題だ」と知事権限を行使して土砂採取を止めるよう求めた。

■共感相次ぐ

 県民広場には2日、具志堅さんに共感する人々が次々と訪れ、思いを語った。具志堅さんの「戦没者の尊厳を守る」との力強い言葉に呼応するように支援者も発言し、玉城デニー知事に採掘事業の中止命令を出すよう迫った。

サイパン戦で父や兄を失った横田チヨ子さん(右)の激励の言葉にうなずくハンガーストライキ中の具志堅隆松さん=1日、那覇市・県庁前広場

 真宗大谷派僧侶で読谷村の知花昌一さん(73)は南部で犠牲になった父と母のきょうだいに触れ「どこで亡くなった分からず、骨つぼには石ころしか入ってない。おそらく沖縄の多くの人たちが同じ。まだ収集されていない遺骨が残る。知事は勇気ある決断を持って止めてほしい」と求めた。

 カトリック教会名誉司教の谷大二さん(68)=沖縄市=は「南部の戦跡国定公園には多くの慰霊碑があり、人々が今も祈りを続けている。鉱山開発が進み、遺骨がつぶされるのは想像もしたくない。知事も防衛局も守ってほしい」と訴えた。

 集会では、退役軍人らでつくる米市民団体「ベテランズ・フォー・ピース」ニューヨーク支部のスーザン・シュノール代表ら海外のメッセージも紹介された。