沖縄タイムス+プラス ニュース

材料はじゃがりことシーチキンとマヨネーズ ビニール袋に入れてもむだけで衛生的に作れる「災害食」

2021年3月4日 07:00

※この記事は2015年2月26日付の沖縄タイムス紙面に掲載されました。人物の年齢や説明など、内容は掲載当時のものです。

ビニール袋を使い、コンビニで買える材料で「災害食」を作る小倉さん=那覇市の沖縄タイムス社

 水や火を使わずにすぐ作れ、衛生的で栄養に富む「災害食」の講座を、那覇市出身で神戸女子大学健康スポーツ栄養学科3年の小倉優香さん(21)が神戸を拠点に開いている。東日本大震災の被災地にも何度も赴き、同世代と交流を重ねる。「神戸と東北、沖縄をつないで、もしものときの備えを呼び掛けたい」との願いがかない、3月1日に中城村である防災講座で調理を実演する。(新里健)

 小倉さんは東北の被災地を支援する学生に誘われ、2013年12月と翌年3月、宮城県南三陸町を訪れた。震災の語り部を務める地元の高校生から自宅が津波にのまれ、親しい塾の先生を失ったと聞いた。大切な人が突然いなくなる-。震災の年に急病で父親を亡くした自分と重なった。

 「災害で犠牲者を出さないためには、普段からの備えが大事」。多くの人に防災意識を持ってもらうきっかけをどうつくるか。神戸に戻って2カ月考え、専門の栄養学を生かして「ビニールクッキング講座」を始めた。座学より興味を引くからだ。

 ビニール袋に乾パンと、缶詰のツナやサバを汁ごと入れ、切り干し大根やカップラーメンの具の乾燥野菜を加え袋ごと手でもむ。乾パンは軟らかくなり、味も付き食べやすくなる。食材に触れず、わずか5分で完成。これまで9回催した講座で、参加者と一緒に作りながら「日ごろから家具を固定し、災害時にどこへ逃げるかを家族で話し合いましょう」と呼び掛ける。

 3月には、南三陸町で知り合った高校生が大学進学後に設立した被災地支援ボランティア団体に招かれ、仙台に行く予定だ。

 東北行きを前に、1日午前10時から中城村の吉の浦会館で開かれる親子向けの「ぼうさいカフェ」でビニールクッキングを披露する。「地震や津波のリスクが大きい沖縄で、食を通して県民の防災意識を高めるのに役に立てたらうれしい」と意欲を見せている。

連載・コラム
記事を検索