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「つぶされそう」「ガツーンと来た」記者はメモが取れず 体験車で震災級の揺れを体感

2021年3月5日 14:35

[沖縄の防災・共に考える](10)備えてますか ※この記事は2014年10月11日に沖縄タイムス紙面に掲載されました。人物の年齢や説明の内容は掲載当時のものです。

 沖縄は近年、巨大地震がなかった。備えるためには、まず実感することから。東日本大震災、阪神大震災の揺れを再現できる体験車が今月、県庁前に来て、770人の県民が体感した。記者も揺られてみて、「その時」と「その前」に何ができるかを考えた。

想像以上 危機身近に
建物強度 コストで課題

「耐震」と「免震」の違いを体感できる地震体験車
 

 地震体験車は5~7日、日本建築構造技術者協会沖縄地区会と国建が呼んだ。免震ゴム最大手のブリヂストンがことし2月に導入した最新型で、通常の耐震工法と免震工法の揺れ方の違いを再現する。

 一般向けに公開した5日は、家族連れが目立った。八重瀬町の小3、大城妃加(ひめか)さん(9)は「怖かった。まだドキドキしてる」。一緒に体験した父の豊さん(42)に「冷蔵庫が倒れないように留めないといけないんじゃない? つぶされちゃう」と訴えた。

 宜野湾市の福地保宗さん(42)は、幼い子ども2人よりもこたえた様子で「命の危険を感じた」。特に直下型の阪神大震災の再現は「被災者が『ガツーンと来た』という意味がよく分かった」という。

 死者26人を出した1964年の新潟地震を経験した新潟県出身の男性(65)も孫と試乗。「あの時は回りの景色も何もかも大揺れ。これとは違う」と余裕の表情を浮かべつつ「新潟でも流砂(液状化)現象が問題になったのに、3・11でまた同じことが起きた。教訓はどうなっているのかと思う」と疑問をぶつけた。

地震体験車で揺れを体感する親子

 那覇市の1級建築士、上原正則さん(49)は、施主に耐震強度を上げる提案をしても、コストの点で断られることが多いと明かした。「台風や塩害対策の注文はあるが、3・11後も地震の話はない。沖縄ももっと意識を高めていかないと」

 6~7日は役所や企業、病院の関係者が体験した。県防災危機管理課の比嘉久雄主任技師(45)は「想像していたよりも大きかった。多くの県民がこの揺れを直接体験してほしい」。

 豊見城中央病院の有銘淳子看護局長(52)は「病院がこの揺れだと大きな被害になる」と想像をめぐらせた。潮平芳樹院長(60)も透析室を心配し「病院はこれからは免震かもしれない」と語った。(阿部岳、比嘉太一)

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