2020年の沖縄県内6保健所のエイズウイルス(HIV)無料検査件数が前年比8割減の442件にとどまったことが3日、分かった。新型コロナウイルス感染症に関連する業務増大に伴い、各保健所が検査業務を中止したため。一方、20年のHIV感染・エイズ患者の新規報告は23人で、過去3年で最多となった。県は「水面下でHIV感染が増えている可能性がある」とし、検査再開に向けて業務の民間委託を検討する。

HIV感染者/エイズ患者の状況と保健所検査件数の割合

 県議会一般質問で、大城玲子保健医療部長が玉城健一郎氏(てぃーだネット)と島袋恵祐氏(共産)の質問に答えた。20年は保健所の梅毒とクラミジア検査件数も前年比で9割減り、それぞれ181件、124件にとどまった。大城部長は「新型コロナ拡大で保健所の積極的疫学調査が広範で必要になり、従来の検査を一時中止したため」との認識を示した。

 県によると、各保健所は昨年2月にHIV検査を休止。同6~7月に一部再開したが、同8月から再び休止した。医療機関の検査は数千円の費用や記名が必要になることがあるが、保健所は無料・匿名でできるためニーズが高い。15年以降、保健所検査は年2200件前後で推移していた。

 県内は人口10万人当たりのHIV感染・エイズ患者報告は全国上位。エイズ発症後にHIV感染が分かる割合も上昇傾向にあり、全国平均の約30%を上回る。