沖縄県名護市辺野古の新基地建設で沖縄戦の激戦地だった沖縄本島南部から遺骨の混じった土砂が採取される可能性があることについて、沖縄防衛局の田中利則局長は5日、「防衛省の事業でも他の事業でも遺骨の混入している土砂を資材として使うことはあってはならない」との認識を示した。遺骨収集と埋め立て工事は「次元の違う話」とも述べた。

沖縄本島南部の遺骨の混入した土砂を資材などに使うことは「あってはならない」と語る田中利則沖縄防衛局長(左端)=5日、沖縄県嘉手納町・沖縄防衛局

 田中氏は、昨年4月に辺野古埋め立て工事に伴う設計概要の変更承認申請を県に提出した際、従来の計画になかった南部地区からの岩ズリなどの土砂採取に関して、3100万立方㍍まで調達可能と記載したことを認めた。

 その上で、南部地区で法令に基づく鉱業権を持つ13業者から回答を得て、調達可能な量を見積もりしたと説明。県に開発を届け出た糸満市米須の「魂魄(こんぱく)の塔」近くの鉱山を所有する採石業者は「事業の実績がない」ために、アンケートに回答した13業者には含まれていないことなどを語った。

 田中局長は「玉城デニー知事が県議会で答弁したように遺骨収集には時間が必要。いまだ収容されない遺骨があることは大変痛ましい。法的枠組みの中で国が責任を持って収容している」と強調。「(埋め立て工事などには)遺骨の混入していない土砂が提供されることが重要」と繰り返した。

 1月に那覇市内で発生した在沖海兵隊員による強制わいせつ事件に抗議するため、嘉手納町にある沖縄防衛局を訪れた県議会米軍基地関係特別委員会の照屋守之委員長、照屋大河副委員長の質問に答えた。

 照屋委員長は「防衛局として説明しなければ大きな問題になる」と指摘。田中局長は「非常に関心が高まり、大きな問題と認識している。国と県などの関係自治体で協議したい」と答えた。