きょう8日は「国際女性デー」。国連が定めた、女性の地位向上を目指す日である。

 男女平等が叫ばれて久しいが、日本の歩みはカタツムリのごとく遅々としている。とりわけ政治の分野で女性参画の遅れが目立つ。

 衆議院で女性議員が占める割合は9・9%。列国議会同盟(IPU)によると、日本は世界平均の25・5%を大きく下回り、193カ国中166位と下位に位置する。県選出の女性国会議員もゼロだ。

 政府が2003年に掲げた、指導的地位に就く女性の割合を「20年までに30%程度」とする目標は達成できなかった。新たに示したのは「20年代の可能な限り早期」という曖昧な「目標」であり、本気度が感じられない。

 3日の参院予算委員会では女性閣僚が2人しかいないことが指摘された。菅義偉首相は「政治の世界でも女性が活動しやすい環境をつくる努力をしたい」と述べたものの具体策は示さなかった。

 「政治は男性のもの」といった固定観念は根強い。県内でも県議会の女性議員は7人で、定数48に占める割合は14・5%。女性議員がゼロの町村議会も12ある。

 海外では、一定比率を女性に割り当てる「クオータ制」で、政策決定の場に女性の数を増やした国が多い。

 18年に施行された「政治分野の男女共同参画推進法」は、候補者が男女均等になるよう政党に努力義務を課すものだ。秋までに予定される施行後初の衆院選は、各政党がどのような姿勢で臨むかの試金石となる。

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 ジェンダー平等における日本の後進性を象徴したのが、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長だった森喜朗氏の女性蔑視発言である。意思決定層に女性を増やそうという流れを否定的に捉え、組織の中でもの申す女性を批判した前時代的な暴言だ。

 五輪に関わる発言だったため海外からも関心を集めたが、注目したいのは国内の女性らの動きだ。

 「性差別を許さない」との怒りの声は各分野から上がった。組織委に森氏への対処を求めるオンラインの署名活動には約15万人が賛同した。

 性犯罪の無罪判決が相次いだことをきっかけに、性暴力を許さない意思を示す女性たちのフラワーデモが全国へ広がったことを思い起こす。

 一人一人が感じた怒りや違和感を塊にして社会に問い、社会の側も問題として受け止める機運が少しずつ高まっている。

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 女性が能力を発揮できる環境をつくり、その力を社会に生かすことは持続可能な経済成長につながる。

 県内では次期振計の骨子案に「女性活躍」の施策を盛り込むよう求める意見が、経済界の女性リーダーから相次いでいる。

 沖縄は非正規労働者の割合が全国で最も高く、母子世帯の割合も全国の2倍だ。高い子どもの貧困率は女性の貧困と重なる。

 安定した雇用環境で女性が能力を発揮し、安心して暮らせる施策を、次期振計へ向けて検討してほしい。