ハンセン病回復者で、沖縄県名護市済井出の国立療養所「沖縄愛楽園」自治会会長の金城雅春(きんじょう・まさはる)さんが8日午前7時20分、同園で病気のため死去した。67歳だった。同園自治会長を23年間務め、ハンセン病の差別や偏見の歴史を伝える啓発活動に、精力的に取り組み続けた。

自身の体験を踏まえ、ハンセン病患者の苦労や背景について語る金城雅春会長=2015年8月13日、名護市・沖縄愛楽園自治会

 自治会によると8日午前5時半ごろ、園内の金城さんの部屋から救急コールがあった。金城さんは駆け付けた医師らに体調不良を訴えたが、その後容体が悪化。処置も実らず亡くなった。金城さんは腎臓に病気があり、週3回の人工透析を受けていた。

 告別式は9日午後0時40分から、愛楽園の霊安棟で親族や園の職員、入所者らで執り行う。

 金城さんは1954年、大宜味村生まれ。石垣島で小中学校を卒業後、高校在学中にハンセン病を発症し、1980年に沖縄愛楽園に入所した。98年に始まったハンセン病国家賠償訴訟では、沖縄愛楽園原告団長を務めた。

 2015年に開館した、国の隔離政策に苦しんだハンセン病患者の歴史を後世に伝える資料館「愛楽園交流会館」の企画運営にも尽力。近年入園者が減少する中で、療養所の利活用や、療養所を負の遺産として残していくための永続化の問題などを自治体と共に検討していた。今年の東京五輪・パラリンピックで聖火ランナーを務める予定だった。