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困難を共に乗り越える 岩手日報社、特別号外を沖縄で配布

2021年3月11日 06:02

 東日本大震災から10年となる11日、被災した岩手県の地元紙、岩手日報社が那覇市内で特別号外を配布する。沖縄での配布は昨年に続き2度目で、復興支援への感謝と被災地の現状を伝える。節目の今年、同社の東根千万億(あずまねちまお)社長は沖縄の地で自ら街頭に立つことを選んだ。配布を前に思いを聞いた。(聞き手=榮門琴音)

東日本大震災から10年の岩手日報特別紙面

東日本大震災から10年の節目に沖縄を訪れた岩手日報の東根千万億社長=10日、沖縄タイムス社

東日本大震災から10年の岩手日報特別紙面 東日本大震災から10年の節目に沖縄を訪れた岩手日報の東根千万億社長=10日、沖縄タイムス社

 -10年を振り返って。

 「新聞社として、とにかく被災者を励ましていこうとやってきた。沖縄の皆さんもそうだが、物心両面にわたって励ましていただき、新しい交流がいろんな形で芽生えた。不幸の中にあっても、未来に向けて大切にしたいつながりだと思っている」

 -節目の年に沖縄で街頭に立つことを選んだ理由は。

 「今年は青森と秋田、沖縄の3県で街頭配布する。沖縄は大変な犠牲を出した戦争を経験し、今も基地問題を一身に背負わされている。おととしには精神的、歴史的シンボルである首里城の火災があり、再建に向かう中で新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)となった。二重、三重の苦悩の中にありながら、震災を覚えていて、励ましてくれている」

 「中央から搾取されたという点で、岩手と沖縄は似たような歴史を持っている。似た苦しみを経験し、乗り越えてきたという意味で、共感するところがある。ぜひ街頭に立ってお礼を申し上げたい、紙の新聞を渡したいという思いで沖縄を選んだ。共に励まし合いながら、困難を乗り越えようと誓い合う時だと思う」

 -風化とどう向き合うか。

 「首都直下地震や南海トラフ地震など次なる大災害がないことを祈るが、可能性は極めて高い。新聞社としては『風化を止める』『忘れないでほしい』というより、悲しむ人を少しでも減らすために教訓から学んで参考にしていただきたい」

 -特別号外をどのように受け取ってもらいたいか。

 「地理的には遠く離れ、気候風土や文化風習も全く異なるが、目に見えない絆でつながった古くからの仲間が作っている新聞だと思って読んでいただきたい」

 -県民にメッセージを。

 「沖縄の地元紙や県民の皆さんから寄せられた数々の励ましと、そこから生まれた絆や友情は、岩手県民にとってもかけがえのない財産だと思う。数年後、首里城の再建をお祝いする日を心待ちにしている」

 ◇   ◇

 特別号外は11日正午から、那覇市のパレットくもじ前で配布する。

<震災10年特集を電子新聞で公開>

 東日本大震災から10年となる3月11日、被災した岩手県と福島県の地元紙、岩手日報社と福島民報社が「震災10年特集」を発行しました。沖縄タイムスは両紙の許可を得て特集を電子新聞で1カ月公開します。

 パソコンでご覧の方は下記のリンクから。スマートフォン、タブレットの方は「沖縄 タイムス 電子版」アプリでお読みください。

岩手日報 震災10年(全12ページ)

岩手日報 震災10年の歩み(全8ページ)

福島民報 震災・原発事故10年(全16ページ)

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