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会談に臨む茂木外相(右端)と米国のブリンケン国務長官(左端)=16日午後、東京都港区の飯倉公館(代表撮影)

 バイデン米政権発足後、初めての日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)では、海洋進出を活発化させる中国を名指しで批判した。情勢が緊迫化する尖閣諸島が米国による対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条の適用対象であることも再確認し、隙間ない日米同盟をアピール。一方、南西方面での日米連携が一層重視され、沖縄周辺では訓練増も予想される。県は不測の事態が生じないよう平和裏の解決を求める。(東京報道部・嘉良謙太朗、政経部・大城大輔)

 米新政権発足から約2カ月という前例のない早さで実現した2プラス2。ブリンケン国務長官は記者会見で、バイデン政権の閣僚の外遊先として最初に日本を選んだ理由を「日米同盟は米国にとって非常に重要だから」と語った。

■高い請求書

 「自衛隊と米軍が訓練の実施を通じて高い能力を獲得することが重要だ」。岸信夫防衛相は記者会見でこう述べ、尖閣周辺を含む南西方面での日米共同訓練を積み重ねていく考えを示した。80分間の2プラス2で最も時間を割いたのは、南シナ海や東シナ海を含む地域情勢だ。尖閣周辺では中国海警局が活動を強めており、「日米がともに行動している姿を示す」ことで、抑止力と対処力を強化する狙いがある。

 だが、そのためには訓練を重ね、練度を維持・向上させることも不可欠。尖閣情勢を念頭に、低空飛行や騒音など住民負担につながる訓練が増える可能性もある。防衛省幹部は「米軍もタダでは守らない。請求書は高いだろう」と身構える。

■不測の事態

 海警法が施行された2月、県は外務・防衛の関係閣僚に「不測の事態が生じないよう」尖閣周辺海域の安全確保を要請したばかり。その中で、県が特に重視しているのが「冷静かつ平和的な外交(対話)」による関係改善だ。

 緊張の高まりは漁業者への影響だけではなく、米軍の訓練激化などを招く可能性もはらむ。県周辺で相次ぐ米軍機の低空飛行訓練も「海警法をにらんだ動き」(同省関係者)とみる向きもある。

 県幹部は「2国間だけではなく、今後は多国間の外交による解決が重要になるのではないか」と指摘。万国津梁会議が提言する「在沖米軍兵力の分散を早く政府に直接求めたい」とした。

 玉城デニー知事は「国と国とで、平和裏に解決するための方向性をしっかりと探ってほしい」と強調した。