沖縄県立コザ高校で運動部主将を務めた2年の男子生徒が1月末に自ら命を絶ったことを巡り沖縄県教育委員会は19日、県教育庁で記者会見し、県教委が設置した第三者調査チームの調査結果を発表した。調査報告で自殺の要因は「高校の部活動、とりわけ部活動顧問との関係を中心としたストレスの可能性が高い」と指摘。再発防止策として学校の情報共有の在り方や部活動の運営体制などを見直すよう求めた。

遺族や関係者に謝罪する(右から)東盛敬コザ高校校長、金城弘昌県教育長、玉城学県立学校教育課長、太田守克保健体育課長=19日午後、県教育庁

 報告書によると、顧問だった男性教諭は男子生徒が昨年7月に主将になってから叱責(しっせき)が厳しくなり「キャプテンを辞めろ」といった精神的負担となる言葉を日常的に使っていた。

 生徒との連絡にLINE(ライン)を多用し、迅速な対応を要求。やりとりは夜中まで続くこともあり、男子生徒は帰宅後もイヤホンを着けて連絡の有無を意識するなど「生徒は常に緊張状態に置かれ、多大な精神的疲労を抱えていた」と指摘した。

 男子生徒が自殺した前日も顧問から厳しい叱責を受けていたことについて「『最後の引き金』になった可能性が高い」とし、「部活動以外に、自死につながるほどのストレス要因は考えにくい」と結論付けた。

 顧問の誘いで推薦入学したため部活動を辞めづらい状況にあったことも男子生徒を追い詰める要因になったとし、推薦入学制度の在り方を見直すよう求めた。

 同顧問の授業中の発言で別の生徒が不登校になった事例や部員の女子生徒に不適切な言動があったことも調査で明らかになった。学校に報告されたが「学校は調査や十分な対応をした様子はない」と、学校の管理体制の問題点を指摘した。

 調査は2月16日から今月5日まで、遺族のほか学校の生徒や教職員ら18人に聞き取りをした。

 金城弘昌教育長は「あってはならない事態が起きてしまった。元顧問からの勝利至上主義に基づく過度のプレッシャーを与えられ、精神的に追い詰められた。重い責任を感じ、遺族や関係者に心よりおわび申し上げる」と謝罪した。

 県教委は今月中にも部活動に参加する全県立学校の生徒や指導者らを対象に、部活動への心理的ストレスの有無についてアンケートを行う。教職員の言動による生徒の不登校事案について、県教委に報告することも義務付けるとしている。

 顧問だった男性教諭は顧問を辞め、現在休職中。県教委は今後、顧問への調査を経て処分を検討する。

 【おことわり】高2男子生徒自殺についてこれまで学校名を伏せて報道してきましたが、県教委の発表を受け、校名を明記します。

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 【県内の主な相談窓口】

沖縄いのちの電話 電話098(888)4343(毎日午前10時~午後11時)

県立総合精神保健福祉センター「こころの電話」 電話098(888)1450(月・水・木・金曜日午前9時~11時半、午後1時~4時半)