沖縄県立コザ高校で運動部主将を務めた男子生徒が自殺した問題で、県が19日に明らかにした第三者調査チームの調査報告書は「部活動以外の要因は見当たらない」と結論付けた。顧問が日常的に向けた厳しい言葉、生徒と夜中まで続いたライン、丸刈りにせざるを得ない心理的追い込み-。過去にも顧問の授業中の発言で不登校となった別の生徒や不適切な言動を受けた部員の女子生徒がいたなどの事例もあったが、学校が調査や十分な対応をせず、今回の自殺を防げなかった。

会見で記者の質問に答える金城弘昌県教育長(左)とコザ高校の東盛敬校長=19日、県教育庁

■言葉の荒さ指摘

 報告書によると、学校関係者への聴取で顧問の言葉が荒く感じるとの複数の指摘があり、生徒の携帯電話に残るラインの言葉にも同様の傾向があった。一方、顧問のライン履歴では削除されており、「教諭自身も不適切とみて削除した可能性がある」としている。

 丸刈りについては強要はないとされながらも、生徒が泣きながら丸刈りにする様子を部活動の大会前日に家族が確認していた。顧問が競技の勝敗の理由に挙げられることに苦痛を感じ丸刈りに追い込まれたとし「真意に反していても行わずにはいられない脅迫的な行動だった」としている。

 部活動の時間以外でも顧問の生徒への関わり方で問題点が浮かんだ。学園祭の際に学級担任との調整もなく、顧問の指示で生徒は部活動費の財源を得るために古紙回収作業をさせられ、クラスの出店に参加できないこともあったという。

■鼻に指を入れる

 自殺した生徒が入学する前には、顧問から授業中に不適切な言葉を受けた女子生徒が2018年度に不登校になっていた問題も今回の調査の中で判明した。

 コザ高校の東盛敬校長は19日の会見で、自身が赴任する前の事案だとしながら、2017年度にも「当該顧問が鼻に指を入れたりいきなり技を掛けられたと女子生徒から副顧問に相談があった」と説明。情報共有のなさや顧問の言動を注視するなど再発防止の意識が足りないことを認めた。

 調査チームはこの不登校事案について、「極めて重要な問題。学校により調査や十分な対応がなされた様子がない」と指摘。「教諭の言動に対して注意を払うべきだった」とし学校側が顧問の調査分析をした上で「研修を受けさせるなど対応が必要だった」とした。

■辞められぬ状況

 同校では部活動特別推薦で部活を3年間継続する意志や「確約書」の提出が求められる制度があった。特別推薦で入学した生徒が退部した場合は、推薦枠を失わせるペナルティーを課す運用が行われていた。

 調査チームは「部活動を辞めたら退学になると誤解しやすい状態になっており、部活動を辞めることができない状況は生徒を追い詰める要因になったと思われる」と指摘した。

【県内の主な相談窓口】

沖縄いのちの電話 電話098(888)4343(毎日午前10時~午後11時)

県立総合精神保健福祉センター「こころの電話」 電話098(888)1450(月・水・木・金曜日午前9時~11時半、午後1時~4時半)