航空自衛隊宮古島分屯基地が昨年5月から、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産「宮古島のパーントゥ」をモチーフにした公式キャラクターを、地元自治会に無断で作成し、使用していることが24日、分かった。伝統祭祀(さいし)を継承する島尻集落の住民からは「事前に地元の自治会の許可を得るのが筋ではないか」と怒りの声が上がっている。

パーントゥをモチーフにした航空自衛隊宮古島分屯基地の公式キャラクター(同基地HPから)

宮古島市平良島尻のパーントゥ

パーントゥをモチーフにした航空自衛隊宮古島分屯基地の公式キャラクター(同基地HPから) 宮古島市平良島尻のパーントゥ

 同基地では昨年5月、公式ツイッター上で同基地の隊員が作成した3点のイラストの中から、公式キャラを決めるための投票をユーザーに呼び掛けた。その結果、パーントゥを参考にして描かれた「島尻美晴(みはるちゃん)」が最多得票で選ばれ、同基地の公式キャラとしてホームページや会員制交流サイト(SNS)などで使用している。

 祭祀を受け継ぐ島尻自治会の宮良保自治会長(62)は同基地から連絡もなく、状況を把握していないと断った上で「空自にパーントゥの使用許可は出していないのだが」と困惑した。

 島尻購買店代表の邊土名清志さん(55)は「自治会に無断で使用したことを空自は謝罪すべきだ」と憤る。パーントゥをモチーフにグッズを商品化する際には地元住民でも自治会の許可を得るとし「多くの住民が怒る出来事だ。来訪神は集落の財産であり、よく考えてほしい」と求めた。

 パーントゥは1993年に国の重要無形民俗文化財にも指定されている。文化庁の担当者は「庁としてもパーントゥは文化財として高く評価している。この件に関しては、県を通じて情報を収集したい」とコメントした。

 空自の担当者は、パーントゥを参考にしたキャラを使用するのに許可が必要か確認中だと説明。「今後、使用が適切かどうか判断していきたい」と話した。