「誰かと思った!」。新石垣空港でテロや不審物の警戒に当たっている八重山署地域課の上原健臣(たけおみ)さん(36)は、時々驚かれる。昨年6月に110キロだった体重は現在85キロ。シルエットが違う。ゲームマシン「ダンスダンスレボリューション(DDR)」でマスクが絞れるほど汗をかいているという。上原さんはDDRの全国大会で過去に2度、全国トップ10に入った。「警察学校で教官から事情聴取されましたけど、これ、ちゃんとした『eスポーツ』なんです」(中部報道部・平島夏実)

ダンスダンスレボリューションで汗を流す八重山署地域課の上原健臣さん=7日、ジョイジャングル石垣店

 昨年6月、DDRのマシンが石垣市内のゲーム施設に初めて導入された。本島で見るモデルより3世代古かったが、上原さんは「はるばる海を越えて来てくれてありがとう」と感激。その日のうちにプレー用の電子マネーと運動靴を買い、うれしくて下着と靴下まで新調した。

 DDRは、画面の指示に従って足元のパネルを踏むゲーム。選んだ曲に合わせて正確に踏めるほど高得点が出る。オンラインゲームの腕前を競う「eスポーツ」の一つだ。

 上原さんは「自分の中でのDDRブームは今回で3回目」と話す。初めは県外の大学へ進学してハマり、各地のマシンを巡る一人旅に出た。2度目は約10年前。国内外から千人以上が参加したオンライン大会「コナミ アーケード チャンピオンシップ」で2011、12年とも九州・沖縄エリアの予選を上位で突破し、全国トップ10に入った。

 28歳で警察官になってからは練習時間が取れなかったが、勤務地の石垣にDDRが登場して一念発起。開催中の「第10回コナミ アーケード チャンピオンシップ」で再び上位を狙っている。予選が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延長されており、長期戦になる見通し。上原さんが準備した運動靴は日に日に底がすり減り、マシンが反応しなくなったため半年ほどで買い替えた。

 「また靴を変えたら、プレーの感覚も変わってしまう。今の靴が駄目になったらマズい」

 靴底に気をもみながら、空港警備と同じ「プロ意識」でeスポーツに臨んでいる。