基地負担が増加しているのは明らかだ。

 米軍嘉手納基地に飛来した米空軍のCV22オスプレイ2機が24日、地元に事前の通告もないまま基地内で兵士の降下訓練を行った。住宅上空を複数回旋回する様子も確認され、嘉手納町が設置している騒音測定器では、「極めてうるさい」とされる97・2デシベルを記録した。

 「墜落の恐怖を感じた」「気分が悪くなった」など町民の訴えからも分かるように、住民生活を脅かす到底許されない訓練である。

 CV22は、2018年に米軍横田基地(東京都)に配備された。当初、嘉手納への配備も検討されたが、日米両政府が沖縄の「負担軽減」を強調するために嘉手納を除いた経緯がある。

 ただ、横田配備後も嘉手納基地に度々飛来し、沖縄近海での訓練に参加している。

 降下訓練は初めてとみられるが、訓練の既成事実化が懸念される。

 CV22は空軍仕様の特殊作戦用で、厳しい気象や夜間飛行、低空飛行など過酷な条件下で運用される。地形を追随する装置や電子妨害機能、レーダー探知機能を備える。輸送を主な任務とする海兵隊のMV22に比べて、事故率も高いことが分かっている。

 當山宏嘉手納町長は訓練の中止を要請し、嘉手納町議会はCV22の飛来中止を求める抗議決議案を可決した。

 外来機のCV22が飛来するたびに周辺自治体が運用に反対しているにもかかわらず、日米両政府が言う「負担軽減」の実態は伴っていない。

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 飛来の背景には、軍備を増強する中国による台湾などへの軍事侵攻の可能性を懸念する米国の備えがあるといえる。

 米インド太平洋軍司令官に指名されたアキリーノ太平洋艦隊司令官は上院軍事委員会で、台湾有事を念頭に、日本などの同盟国と連携してけん制する必要があると訴えた。

 今後、米空軍の特殊作戦部隊が常駐する嘉手納基地を拠点にした訓練が増える可能性があるのだ。海兵隊のオスプレイに加え、敵地に特殊部隊を送り込む任務などを担うCV22が沖縄の空を飛び交うことになれば、事故のリスクも一層高まる。

 在日米軍専用施設の約70%が集中し、米軍から派生する事件事故が後を絶たない沖縄が、米中対立の新たな負担まで背負うことになれば、負担軽減に逆行する。断じて容認できない。

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 嘉手納町、沖縄市、北谷町でつくる三市町連絡協議会は、住民の基地負担の増大が危惧されるとして、CV22の運用を行わないことを関係機関に求めた。

 嘉手納基地ではF15戦闘機などによる訓練も激化している。基地外では、米軍機の低空飛行も相次いでいる。政府は低空飛行訓練について容認の考えだが、これを簡単に認めたら沖縄全体が完全に「基地化」し、被害がさらに拡散する。

 政府の負担軽減策はすでに破綻している。問われるべきは、対米追従の日本政府の姿勢だ。