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病院の少ない地域で…コロナの「爆発的な感染」を防ぐ奮闘

2021年3月28日 08:24

 沖縄本島中南部に比べ病院数の少ない北部地域で新型コロナウイルス感染拡大を防ごうと、県立北部病院の奮闘が続いている。陽性者が判明すると中南部のように県のコロナ対策本部を通さず、医師が直接患者に電話で容体を聞くなど、地域に密着した取り組みを進めてきた。医療従事者へのワクチン接種も本格化し、院内の感染対策の体制も強化されつつある。久貝忠男院長は「今まで防戦一方だったが、ワクチン接種で武器を得た」と期待しつつも「原則は感染管理」と気を引き締める。(北部報道部・當銘悠)

ワクチンの優先接種後のミーティングで課題や解決策について話し合う医師や看護師、薬剤師、事務職員ら=5日、名護市・県立北部病院

■医師が直接

 県内で新型コロナ陽性者が判明した場合、中南部地域では、県コロナ対策本部に配属された看護師が患者に電話をかけて聞き取りを行い、入院またはホテルや自宅で過ごすか、療養先を決めている。

 北部病院では、医療資源の限られた中でより迅速に対応しようと、保健所や診療所から連絡を受けた医師が直接、電話で患者の体調や基礎疾患、家族構成や家族の職業などを聞き取り、判断の材料にしている。

 その上で陽性者全員に専用外来に来てもらい、療養先を決定。同居高齢者などの接触者も、必要に応じて検査に来てもらうという。

■地域で連携

 最初の聞き取りの後に血液検査を実施して未治療の糖尿病が見つかったことも。重症化リスクを早期に発見し、適切な療養先を決めることで重症化を防いでいる。永田恵蔵医師は「北部は保健所や他の病院と連携しやすい環境がある。早期に診ることで、爆発的な感染がある程度防げているのではないか」と語る。

 ワクチンチームの佐々木尚美医師は、ワクチンの持続効果はまだ不明としつつも、医療従事者への2回目接種を安全に行うことや、ワクチン数が限られる中でどのような計画で接種するかを当面の課題に挙げる。

 医療従事者の次は、高齢者や市民らへの接種が始まる。佐々木医師は「さまざまな質問にしっかり答え、急変した患者対応に協力できる体制づくりが必要になってくる」と話した。

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