【北谷】北谷町の2021年度予算が、年度末が迫る29日になっても成立せず、町と議会がぎりぎりの調整を続けている。町は町立博物館の整備費を重視する一方、議会で過半数の議員は新型コロナウイルス対策で、国の特別給付金の支給対象外になった新生児への10万円給付が優先との立場。博物館費を全て削除した修正案を22日に可決したが、納得できない町は議会が可決した案を、採決のハードルが上がる再議に付す奇策に出た。議会は26日に再議を否決し、予算案が宙に浮いている状態だ。

請願を一部採択する北谷町議会の議員ら=2020年、北谷町役場

 議会の採決は通常、出席者の過半数の同意で成立するが、再議の場合は地方自治法上、3分の2以上が必要になる。町はこの要件に着目し、狙い通りに否決されたが、その後にあらためて提案した予算案も賛成少数で否決された。

 町は予算が成立しないまま新年度に入る事態を避けるため、内容を修正した予算案を30日の臨時議会に提案する。

 野国昌春町長は26日の議会で「20年度に出生した新生児を含む、全ての新生児への切れ目ない給付金の支給事業を21年度に実施する」と述べ、博物館整備費の計上に理解を求めた。

 予算の成立が異例に長引いている点は「議員らと町側との調整が不十分だった」ことなどを挙げた。