男女平等が進まず、世界から取り残されている日本の実態が改めて示された。

 スイスのシンクタンク、世界経済フォーラムが公表した「男女格差報告」(ジェンダー・ギャップ指数)で、日本は世界156カ国中120位となった。

 121位だった前回調査とほぼ同じだ。先進7カ国(G7)の中では、6番目のイタリアに大きく差をつけられ今回も最下位だった。

 この報告は政治、経済、教育、健康の4分野を指数化して順位を算出する。

 日本の順位の低迷につながったのは政治や経済の指標だ。特に政治参画分野では、女性議員や女性閣僚の少なさから147位という異例の低さで全体を押し下げた。

 衆議院で女性議員の割合はわずか10%。列国議会同盟が公表する世界各国の議会(下院か一院制)の女性議員の平均26%を大きく下回る。参院でも23%にとどまっている。菅内閣の女性閣僚も2人だけだ。

 こうした現状をどうすれば変えられるか。

 2018年に施行された「政治分野の男女共同参画推進法」は、できる限り候補者が男女均等になるよう政党に求める法律だ。

 ただ、19年の参院選で候補者に占める女性の割合は、自民党が15%にとどまるなど十分ではなかった。

 努力義務だからといって軽んじていいはずがない。政治分野が足かせになっていることを政党は重く受け止めるべきだ。

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 少数派の意見が集団や組織の意思決定に反映されるには、30%を超えることが必要だとされている。

 政府が昨年末に策定した第5次男女共同参画基本計画が「国政選挙の候補者に占める女性の割合を25年までに35%とする」目標を掲げたのも、そのためだ。

 しかし共同通信が全女性国会議員に行ったアンケートでは、回答者の66%が目標の達成は「困難」と答えた。

 立候補や活動を阻む壁として女性議員が挙げたのは「政治は男のもの」という固定観念、家庭・子育てとの両立の難しさだ。セクハラを指摘する声も少なくなかった。

 政治の世界が男性中心のままで変わらず、女性に活動を諦めさせるようなら社会にとってマイナスである。

 性暴力や貧困、非正規雇用などに女性が直面する問題は深刻化している。政策を論じる場に女性がもっと増え、多様な意見が出れば解決への大きな力となり得るはずだ。

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 世界に目を向ければ、米国は今回、53位から30位へと大きく上昇した。バイデン政権の閣僚の女性割合が40%を超えたことが影響した。

 フランスは1990年代には国民議会(下院)で10%程度だったのが、男女同数の候補者擁立を義務付けた「パリテ法」が成立し、20年で約4割まで急上昇した。本気を出せば格差是正は不可能ではない。

 日本では秋までに衆院選が予定される。全ての党が女性候補者の数値目標を掲げるとともに女性議員を増やすための施策を示してもらいたい。