沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)がオーストラリア国立大学との共同研究で、哺乳類の唾液(だえき)腺が、ヘビのように毒性の機能を持つようになる可能性があることを明らかにした。毒腺が唾液腺から進化したことを示す初めての研究結果。

沖縄にも生息する毒ヘビ「タイワンハブ」=(OIST提供)

 研究チームは沖縄本島に生息するタイワンハブから採取した毒腺の遺伝子を分析。毒腺の遺伝子と共に、タンパク質を折り畳む遺伝子が相互に機能することで、毒を作り出すシステムを構築していると突き止めた。

 犬やネズミなどの哺乳類の唾液腺組織を調べた結果、ここでも2つの遺伝子の相互作用により、毒を作り出す基になる機能を持つことが判明した。

 口内の毒が進化するために必要な遺伝子のシステムが、爬虫(はちゅう)類と哺乳類の両方に備わっており、哺乳類も獲物の捕獲などに毒を使う必要がある環境に置かれれば、数千年かけて、唾液腺が毒性の機能を持つようになる可能性があると結論付けた。

 論文の筆頭著者でOISTの博士課程に在籍するアグニーシュ・バルアさん(29)は「研究結果は、毒腺が初期の唾液腺から進化したという説を裏付ける初めての証拠。ヘビは独自の進化の過程でさまざまな毒素を取り入れた」と説明した。

 可能性は低いとしつつ、人間も毒を持つようになるかもしれないと指摘。「将来、『毒のある人』という言葉の意味が変わってしまうかもしれない」と冗談交じりに話した。研究結果は3月30日付の米国科学アカデミー紀要に掲載された。