性犯罪や性暴力の被害に遭った人のための沖縄県性暴力被害者ワンストップ支援センターで、中学生以下の相談者の病院での診察費用のうち、再診3回目までの全額を県が新たに公費支出することが6日、分かった。経済的に苦しく再診が難しかったり、幼いため被害内容を医療者に打ち明けるまで時間がかかることが多い子どもたちを支えることが狙い。(政経部・下地由実子)

新しく公費負担となる医療費

 1日付で、「同センター業務に係る医療費の公費支出に関する要綱」を改正し、小児特定疾患カウンセリング費用に再診料を含めた。初診料は以前から公費支出している。

 県女性力・平和推進課によると、子どもが被害に遭った場合、性感染症の検査のため複数の受診機会がある大人と違い、公費支出のある初診だけで支援が途絶えてしまうことが課題になっていた。

 小児科医らから「子どもとは信頼関係を築くのに時間がかかり、聞き取りが何回も必要な場合が多い。医療費の支援が必要」との意見を受けて事業化。小児科医が診察し産婦人科医が同席することもあるという。

 センターへの相談増加や設立当初は想定していなかった相談があることを背景に、今回は2016年4月の制定後、初めて要綱を大幅改正し、公費を支出する医療費の種別を増やした。

 女性の被害と同じ水準で支援できるように男性の性被害の診察と検査の費用も公費で支出する。精神科の初診料も新たに設定。県はセンターへの協力病院として精神科のある10医療機関を指定する方向で調整している。緊急避妊処置としての避妊リング、血液を介して感染する恐れのあるC型肝炎の検査費用も加えた。

 21年度当初予算には、前年より約54万円多い154万9千円を計上した。これまでの相談実績などを基に、小児特定疾患カウンセリング費用は4人、男性被害2人、精神科初診料10人、避妊リング2人、C型肝炎86人を想定。状況によって、予算を増やすこともあるという。