[ニュース近景遠景]

現場近くの学校周辺を捜索する捜査員=5日、宮古島市・鏡原小学校

 宮古島市平良下里の民家で、この家に住む男性(61)が刃物のようなもので胸を刺され殺害された事件から10日で1週間。殺人容疑で全国に指名手配中の長男(39)の行方は今も不明で、新年度がスタートし学校が始まった地元住民の不安は払拭(ふっしょく)されていない。県警幹部は島外逃亡の可能性は低いとみるが「狭い島内でここまで捜査が長期化するとは。隠れているとすれば、そう長くはもたないはずだ」と容疑者確保に力を込める。(社会部・城間陽介、豊島鉄博、宮古支局・知念豊)

■募る住民の不安

 「駐車していたレンタカーがなくなっている」。7日、宮古島市のある業者から県警に情報が入った。結果的に事件とは無関係だったが、指名手配を機に少しずつ情報が集まりだした。

 今回、県警が公開捜査に踏み切ったのは事件発生の3日後。当日には容疑者の逮捕状を取得していたが、容疑者家族への配慮や「容疑者本人を追い詰める恐れ」から、あえて重要参考人としてメディアに発表した。

 だが手掛かりのないまま始業式や入学式が目前に迫り、公開捜査へ舵(かじ)を切った。県警関係者は「住民の不安が募る中、いつまでも重要参考人扱いとはいかなかった」と語る。

■関係修復は無理

 県警はこれまで山林や用水路、海岸線、市内の空き家や倉庫、容疑者の知人宅を一つ一つ調べてきたが、滞在した痕跡などは見つかっていない。関係者によると、容疑者は過去に1週間程度、家出して水だけで過ごしたことがあるという。

 事件前日、容疑者と酒を飲んだ友人男性は「午後11時半すぎごろ『明日も仕事がある』と先に帰った。特に普段と変わった様子はなかった」と振り返る。

 容疑者の話では、父親と長年の確執があり、言葉を交わさないほど関係は悪かったという。「親子間の詳しいことは分からないが『関係修復は無理』と言っていた。何があったのか。生きて出てきてほしい」と出頭を望んだ。