[ニュース断面]
沖縄県玉城デニー知事は9日、国に「まん延防止等重点措置」を求める方針を公表した。「慎重にも慎重に」とした姿勢から突然の方針転換。予想以上の感染拡大に「1日でも早い方がいい」と決断を余儀なくされた。一方、2年連続で大型連休を直撃される観光業界は落胆が隠せない。(政経部・大野亨恭、下地由実子、伊禮由紀子)
「8、9日の状況ではさらに強い対策を検討しなければならない」。玉城知事は過去2番目に多い155人の新規感染者が確認された7日の会見で、厳しい口調で語った。「慎重に検討する」としつつ、まん延防止等重点措置を念頭に置いた発言だった。
当初、週明け12日の対策本部会議で重点措置の適用の可否を判断する方針だった。1日から始めた飲食店への営業時間短縮要請の効果が表れ始める8、9日の状況を確認し、定例の12日の本部会議で最終判断する道筋を描いていた。
だが、感染は止まらなかった。8日の新規感染者数は140人。さらに感染力が強いとされる変異株の拡大の兆しも見えていた。
「決断は早い方がいいんじゃないか」。8日午後、電話先の西村康稔経済再生担当相は知事に判断を求めた。...
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