沖縄戦に動員されたひめゆり学徒隊の体験を通して戦争の実相を伝える糸満市の「ひめゆり平和祈念資料館」(普天間朝佳館長)が12日、リニューアルオープンする。「戦争からさらに遠くなった世代へ」をテーマに、戦後世代の職員が中心となって企画。戦争を知らない世代に沖縄戦を分かりやすく伝えようとイラストを取り入れた。同館はオープンに先駆けて11日、報道陣に公開した。

リニューアルしたひめゆり平和祈念資料館=11日午後、糸満市伊原

 2019年の開館30周年記念事業の一環で、展示内容の大幅な変更は04年以来2度目。今回のリニューアルでは来館者の感想なども反映させ、戦争を知らない世代が想像しやすいよう、動員された陸軍病院内での仕事内容などをイラストで紹介している。

 11日は元学徒ら7人が同館を訪れ展示を見学した。見学後、リモートで報道陣の取材に応じた元学徒隊で証言員の本村つるさん(95)は「戦争のない平和な世の中になってほしい。小さい時の平和教育がとても大事だ。平和の大切さを世の中に広げるのが資料館のテーマだ」と語った。

 普天間館長は「あらゆる機会を通じて戦争体験を振り返り、起こらないためにどうするか考えていくことが大切だ。リニューアルが若い世代が関心を持つきかっけの一つとなることを祈っている」と期待を込めた。

 ひめゆり学徒隊は米軍の上陸作戦が始まった1945年3月、沖縄戦で組織、動員された沖縄師範学校女子部と県立第一高等女学校(一高女)による学徒隊。生徒と教師240人が沖縄陸軍病院に動員され、136人が犠牲になった。学徒隊以外に91人が沖縄戦で亡くなった。

 同館は12日午前10時にオープンする。