公務員の地位を捨て、人と人をつなぐ飲食店を開きたい-。クラウドファンディングで資金を募る當間健人さん(29)の挑戦が注目を集めている。当初目標の100万円を突破し、次に設定した150万円も超えた。挑戦のきっかけは、息子(2)に白血病が見つかったことだった。

クラウドファンディングでバルの開店資金を集めているAVENTURA WORKSの當間健人さん(左)と松村太雅さん=沖縄タイムス社

 警察官として働いていた2019年7月、当時1歳2カ月の息子の病気が分かった。急性前骨髄球性白血病。7カ月間休職し、闘病に付き添った。

 早朝に家を出て、夜遅くに帰る不規則な仕事。週末以外は家族と過ごす時間もほとんどない。仕事にやりがいは感じていたが、息子の病気を機に「家族との時間を大切にしたい」と強く感じた。

 安定した公務員の職を手放すことは悩んだが、妻や家族も反対しなかった。20年12月に退職。高校の同級生の松村太雅さんが立ち上げた「AVENTURA WORKS(アベントゥラ・ワークス)」に入社した。

 松村さんは沖縄の素材を使ったスペイン風酒場「オキバル」の開業を構想。共感する當間さんは白血病の子どもやその家族とつながるコミュニティーづくりの場にすることや、売り上げの一部を医療機関や支援団体に寄付することを目指す。

 クラウドファンディングは友人や知人など、一人一人にメッセージを送ることから始まった。思いが伝わり、支援の輪は全く知らない人にも広がっていった。

 2人は、若い人の挑戦も支援する考え。クラウドファンディングのノウハウを共有し、多様な人と出会えるイベントも企画する。

 當間さんは「人生は一度。挑戦する素晴らしさを息子に教えてもらった。オキバルを通じて、少しでも挑戦する人を応援していきたい」と話した。

 資金募集は15日午後11時59分まで。沖縄タイムス社のクラウドファンディングサイト「Link-U(リンクユー)」で確認できる。