沖縄県宮古島市平良下里の民家で住人の男性(61)が刃物で刺され殺害された事件で、県警は15日午前、殺人容疑で全国に指名手配していた同居人の長男(39)の身柄を確保し、逮捕した。同市内の住宅街で住民から「容疑者を発見した」と通報があり、駆け付けた警察官が宮古島署に任意同行を求めた。

(資料写真)パトカー

 宮古島市の事件現場周辺の住民からは「捕まってよかった」と安堵(あんど)の声が上がった。容疑者を発見し、宮古島署に通報した親族は「罪を償った後は、正しい人生を歩んでほしい」と願った。

 「おばさん」。15日午前10時ごろ、容疑者の親族の女性は背後から声を掛けられた。振り返ると憔悴(しょうすい)しきった容疑者が何も持たず立っていたという。「何年もここに来ていないからとにかく驚いた」。

 空腹だろうと菓子パン2個とお茶を差し出すと黙って食べたという。容疑者は「衝動的にやってしまった。まさか自分が事件を起こしてしまうとは」と悔やむ様子を見せた。

 「何度も自首を考えたみたいだけど、一人で行けないから私たちを頼ったんだろうね」。女性の長女が出頭を促すと「うん」とうなずいたという。通報を受けて駆け付けた同署員が本人確認し、任意同行で連行した。女性は「罪を償い、人生を立て直してほしい」と更正を願った。

 容疑者逮捕を受け、現場周辺には安堵の声が広がった。事件現場に近い鏡原小学校に2児が通う女性は「戸締まりも徹底していた。近所で起きた事件なので怖かった。捕まってよかった」。小1~小4の65人を預かる同小近くの鏡原放課後児童クラブの女性職員は「自由に外で遊ばせることができなかったが、学校とも連携し、元の活動に戻していきたい」と話した。