沖縄県の玉城デニー知事は16日、沖縄戦跡国定公園内にある糸満市米須の鉱山開発計画を巡り、採掘の届け出をしていた業者に対し、同鉱山で戦没者のものである蓋然性が高い遺骨が確認されているとして、自然公園法に基づき「必要な措置を執るよう求める」措置命令を出す方針を発表した。辺野古新基地建設に土砂が使われる恐れがあるとして、採掘に反対する市民が求めていた開発の全面禁止は見送った。一方で、人道的な観点から、「戦没者の遺骨等が混入した土砂は採取しないこと」などを求める留意事項を付けた。

(資料写真)沖縄県の玉城デニー知事

開発が予定されている糸満市米須の鉱山

(資料写真)沖縄県の玉城デニー知事 開発が予定されている糸満市米須の鉱山

 玉城知事は「戦没者のご遺骨が混入した土砂が工事や埋め立てなどに使われることは、大戦で亡くなった方々を悼む心を持つ『うちなーんちゅ』としてあってはならない」と述べた。「遺骨が確認された場所は、沖縄戦跡国定公園の風景を構成する場所としての価値を有する」として、遺骨が自然公園法に定める「風景」と認め、措置命令にするとしたと説明した。  一方で、「100点満点(の禁止命令)を望んでいる市民の方もいらっしゃると思うが、法制度上の限界がある。業者には人道的配慮を求める」と述べた。

 業者にとっては不利益処分となるため、今後、弁明の機会が設けられる。業者は、同法で定められた届け出から開発に着手できない期間を経過した17日からは作業を進められるようになる。  鉱山の開発を巡っては、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は、戦没者の遺骨が混じった土砂が名護市辺野古の新基地建設に使われる可能性を指摘。「人道上、問題」として、同法に基づき開発の禁止を求めていた。

 県議会(赤嶺昇議長)は15日の臨時本会議で、沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てに使わないよう求める意見書を全会一致で可決した。県議会が可決した意見書では、戦没者遺骨収集推進法に基づき、政府が主体となって、遺骨収集することも求めた。宛先は、衆参両院議長や首相、厚生労働相など関係大臣。