沖縄戦跡公園内にある土砂の採取は法制度上、全面禁止できない-。行政の長として、玉城デニー知事が16日に発表した“苦渋の決断”。新基地建設に使われるとして反対してきた市民や戦没者遺族には静かな怒り、そして失望が広がった。

玉城デニー知事の記者会見後、肩を落とす具志堅隆松さん(右)=16日午後、県庁

 「置き去りにされた感じがした」。玉城デニー知事の記者会見を最前列で見守った遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(67)。会見後の第一声には、知事判断への失望が強くにじんだ。「残念を通り越して憤りを感じる」と胸中を語った。

 会見中、時に目をつぶったり、天を仰いだりして、知事の発する言葉一つ一つに聞き入った。知事はすぐ目の前。「遺族の話を聞かず、なぜ県庁内だけで方針を決めるのか」「最も制限の弱い措置命令を選んだのはどうして」「せめて遺骨の見つかった傾斜地だけでも開発を制限できないのか」。ぶつけたい質問はたくさんあった。

 だが、発言の機会は与えられず、あっという間に会見は終わった。「遺族や私の声を何も聞かないまま、知事たちは出て行ってしまった」と唇をかんだ。

 「工事現場で茶わんのかけらが見つかれば文化財保護法で工事は止まる。なのに、人間の骨が出てきても工事を止める法的根拠はない。人間は茶わんより価値がないのか」。集まった報道陣にこう問い掛け、「戦争被害者の遺骨の救済につながる条例を早急に整備してほしい」と訴えた。開発中止を求めて6月23日、8月15日にもハンガーストライキをする考えという。