県教育庁が開示した基本調査報告書で、顧問の暴言などを証言する運動部部員や同級生への聞き取り内容がほとんど黒塗りにされている。遺族は16日、「何が起こったのか部員たちが一番知っているのに、これでは生徒側の証言が全く分からない。隠蔽(いんぺい)だと感じる」と批判し、公正な第三者委員会の設置を求めた。

県教育庁が情報公開した資料の一部。多くの部分が黒く塗りつぶされていた

 母親によると、情報公開の内容について同庁担当者から事前に説明された。生徒側の証言が真っ黒に塗られているのを見て「びっくりした。起こったことさえ伏せてしまうと、どう再発防止につながるのか」と疑問視する。

 かけがえのない息子を失ってしまったことと向き合うのがつらいとしながらも「言葉も暴力なのだと認識してもらい、再発防止に取り組んでほしい」と思い、情報開示前に、生徒の証言を出すよう金城弘昌県教育長宛てに意見書まで提出した。にもかかわらず、遺族側の要望が無視された。

 「息子が命を落としたことの重大さを、県教育庁が真摯(しんし)に向き合っていない姿勢が見える。第三者委を設置し、公正な目で事実を精査し、再発防止策を提言してもらいたい」と求めた。