葉タバコの花が揺れる4月の沖縄県伊江島。在沖米海兵隊が16日、有事に島しょ部へ素早く展開して攻撃拠点を確保する「遠征前方基地作戦(EABO)」の訓練を報道陣に公開した。離島に見立てた補助飛行場敷地内が、即席の基地になっていた。(政経部・大城大輔)

AH1攻撃ヘリに給油する海兵隊員=16日、伊江島補助飛行場

パラシュートで「島」に降下する海兵隊員=16日、伊江島補助飛行場

AH1攻撃ヘリに給油する海兵隊員=16日、伊江島補助飛行場 パラシュートで「島」に降下する海兵隊員=16日、伊江島補助飛行場

 しとしとと降り続ける雨の中、午前10時すぎ、海兵隊の担当者に案内されて、飛行場脇の緑地帯を歩いた。フェンス沿いには野営のためのテントが並ぶ。

 ふと見上げると、パラシュートでゆらゆらと海兵隊員が降りてきて、5人が次々と着地した。島に潜入し、偵察する部隊だ。

 海兵隊に確認すると、MV22オスプレイから投下された。約3千メートルからの「高高度」での訓練。雨雲だったからかもしれないが、パラシュートに気付いた時にすでに機影はない。普段ならすぐ気付くオスプレイの重低音も聞こえなかった。

 「航空支援テント」。トラック2台にコンピューターと通信設備を搭載し、航空機を管制する。相手の艦船やミサイルなども察知することができるという。

 海岸沿いには海水浄化装置が設置されていた。海水を引き、砂とバクテリアを取り除いて淡水化する。飲み水や調理などにも使えるほどになる。実際に隊員が浄化された水をボトルにくみ、口に含んでみせた。

 1時間に約284リットル(ドラム缶1・4本分)の水を浄化でき、離島での作戦を支える。

 燃料補給エリアは整地されていない土の広場にあった。周辺で隊員が身をかがめて待機している。「バリバリバリ」と音を立てて、AH1攻撃ヘリとUH1多用途ヘリが飛んできて、砂ぼこりを巻き上げながら着陸した。

 すると、隊員が一角に設置した燃料をためるタンクから伸びるホースで給油を開始。銃弾も運び込んで補充し、両機は20分ほどで飛び立った。

 このほか、負傷した隊員を応急処置する医療テントや、調理場も設置されていた。

 今回の訓練内容は、拠点化した島が攻撃されたことを想定し、機能を回復することも含まれている。

 第172海兵航空支援中隊司令官のジェームス・プライヤー中佐は、具体的な島や相手国を想定したものではないとしたが、多くの離島を抱える沖縄が、有事には最前線に立たされるのではないかと不安を感じた。