【東京】陸上自衛隊の那覇駐屯地と知念分屯地へ配備予定の「電子戦専門部隊」を巡り、防衛省が来年3月末に数十人規模で発足させる方針を固めたことが19日、分かった。電波の収集・分析や敵の通信を妨害する車載型ネットワーク電子戦システム(NEWS)も配備する。中国やロシアが電子戦分野の能力を向上させる中、宇宙・サイバーに並ぶ電磁波という新領域への対応を強化する。

 那覇駐屯地に新編するのは、電子戦専門部隊「第301電子戦中隊」で30人規模。301中隊は、3月に熊本県の健軍駐屯地に発足した約80人と、鹿児島県の奄美駐屯地に新編予定の約30人を合わせた約140人体制となる見込み。

 知念分屯地には約20人の「電子作戦隊」(仮称)を新編する。本年度中には、本部機能を担う朝霞駐屯地(東京都練馬区など)のほか、留萌(北海道)、相浦(長崎県)の両駐屯地にも同部隊を発足させる。

 電子戦専門部隊は、相手が発する電波の収集を主な任務とするが、有事にはNEWSから発する強力な電波で敵の通信機器を妨害するなどして対処する。

 防衛省は本島以外の南西諸島への配備も想定している。将来的に陸自の宮古島・与那国両駐屯地のほか、石垣島が配備対象になる可能性もある。

 岸信夫防衛相は17日、視察先の与那国駐屯地で「平素から電波収集・分析を行い、有事には相手の電波利用を無力化することで、各種戦闘を有利に展開することができる」と配備の意義を強調した。(東京報道部・嘉良謙太朗)