[「防人」の肖像 自衛隊沖縄移駐50年](20) 第2部 浸透の境界線 自衛官になってみて (下)

 砂漠地帯の多いイラクの空気はからりと乾く。酷暑の昼と一転、氷点下の静かな夜はなおさら。だから音がよく響く。ドフンッ-。

 2005年12月、首都バグダッドから南東の街・サマワ近郊。イラク戦争後、復興のために働いていた陸上自衛隊の宿営地そばに、ロケット弾が撃ち込まれた。重たい着弾音は、当時自衛官でテントにいた安仁屋秀人さん(61)=うるま市出身=に派遣されて初めて命の危機を感じさせた。

 戦後と言えど、一帯には武装勢力がいた。ただ、普段は恐怖心よりも責任感が勝った。戦争で破壊された学校や道を造り直し、井戸を掘る隊員の姿を記録する映像写真班長として部下を預かっていた。

 仕事の間は銃と弾を持ち歩く。日本ではあり得ない。出発前は「人を撃つなんてできるのか」と葛藤した。が、「仲間を守るため」と弾を込めた日がある。...