4月3日、沖縄県宮古島市平良下里の民家で住人の男性(61)が刃物で刺され、殺害される事件が起きた。15日に逮捕されたのは男性の長男(39)だった。全国有数のリゾート地・宮古島で起きた親子間での殺人事件。小さな島でなかなか長男の身柄が確保されず、殺人容疑で全国に指名手配されていた。担当した記者はどのような気持ちで取材に当たっていたのだろう。沖縄タイムス宮古支局の知念豊記者が語った。(文=與那覇里子)

容疑者の身柄確保後も捜査を続ける捜査員=15日、宮古島市平良下里

午前5時半に「殺人事件」一報の電話

4月3日午前5時半。私の宮古支局勤務は3年目に入ったばかりだった。スマホのけたたましい呼び出し音で目が覚めた。那覇にいる警察担当のキャップ・城間陽介からだった。

「殺人事件が起きた。現場に行ってほしい」との話だった。

支局から車で10分ほどの場所。目を覚まそうと軽くシャワーを浴びた。

心の中では、
「正直眠いな」
「殺人でまだ犯人も捕まってない。取材行くこと自体、ちょっと怖い」
不安を抱えながら、現場に向かった。午前6時前に現場着。

警察担当からは、チャットで被害者の姓が送られてきていた。現場に着くと同じ姓の表札がかかった家があり、すでに立ち入り禁止のテープが張られていた。警官に「場所はここですか?」と確認。警官は無言でうなずいた。家の前で動きを待つことにした。

しばらくすると、警官の制服と違う、捜査員が家の中に入っていった。他のマスコミも続々と到着。そうこうしているうちに、捜査員が家の外に出ていった。
「何かあったのだろうか」。そう思い、徒歩で3~4分の公園にたどりつくと規制線が張られ、警官が立っていた。「何かあったんですか」と聞いた。でも、「答えられない、詳しくは警察署に聞いてください」と言う。
事件現場と関連がありそうだということで、チャットで流した。城間に確認してもらうことにした。