県警が、今年2~3月に覚醒剤や乾燥大麻を所持していたとして、女子高校生(当時)や有職少年ら3人を逮捕した。3人は友人同士で、販売目的で所持していたとされる。県警は、会員制交流サイト(SNS)を使って違法薬物の売買を繰り返していたとみて、入手先などの捜査を進めている。

 ほかにも事件に関与した疑いで、高校生2人を含む4人が逮捕されたことも判明している。捜査の進展によっては、逮捕者がさらに増える可能性がある。

 薬物の中でも依存性が強い覚醒剤の所持だけではなく、売買にまで高校生が関わっていた疑いがある。SNSを通じて違法薬物が若者の間で浸透している実態が浮かび上がる。全容解明とともに、再発防止に向けた対策が急務である。

 県内では近年、10代の若者による薬物事件の摘発が相次ぐ。2019年には、大麻の所持・譲渡などの疑いで、高校生9人を含む未成年者17人が摘発された。昨年10月にも乾燥大麻を所持していたとして、高2の男子生徒が逮捕されている。

 事件が後を絶たない現状に、学校関係者は危機感を強め、対策を打ってきた。薬物の身体への悪影響や、実際に使用した当事者の体験談を紹介するなど、啓発教育にも力を入れてきた。

 それにもかかわらず、歯止めがかからない。これまでの取り組みが十分だったのか。若者により伝わる対策はどうあるべきか。警察などの関係機関や専門家と連携しながら再検討してほしい。

■    ■

 SNSが事件の中核をなしているとされる。不特定多数と意思疎通ができ、なおかつ、特定の人間だけで秘密裏にやりとりもできるツールが、犯罪の温床になっている。今回の事件でも、違法薬物売買を意味する「隠語」でやりとりされていたとみられる。

 ツイッターで、隠語を検索すると、違法薬物を要求したり、取引に誘ったりしているように読める投稿が次々と出てくる。未成年者でも簡単にアクセスできる状況だ。

 子どもたちには、SNSの利便性と同時に、犯罪にも通じかねない「負の側面」を早いうちから教育すべきだ。

 喫煙や万引などは「ゲートウェイ犯罪」と呼ばれ、重大犯罪に手を染める入り口となりかねない。薬物事件で摘発される若者も、前段として非行や軽微な罪を犯していたのではないか。その段階から大人が手を差し伸べ、子どもたちを重大犯罪から守りたい。

■    ■

 今回の事件に関与していたとされる高校生や有職少年らが、売買で利益を上げていたとしても、全て自らの懐に入れていたとは考えにくい。あくまで彼らは「仲介役」であり、薬物の入手ルートを含めて、事件の主導的な役割を果たす大人がいた可能性は否めない。

 県警は、未成年者の間で薬物がどのような広がりを見せているのか、捜査を尽くしてほしい。それと同時に、背後に反社会的勢力の関与がないのか、全容の解明が求められる。