社説

社説[重点措置拡大]医療崩壊防ぐ手立てを

2021年4月24日 09:07

 新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」対象地域に新たに宮古島市が加わった。先に対象になっていた沖縄本島9市を含めた10市となり、措置期間は当初の5月5日から11日まで延長された。

 県内では10市にとどまらず各地で変異株への置き換わりが進んでいる。コロナ病床の使用率は100%近くに迫り、医療体制の逼迫(ひっぱく)が深刻になっている。 

 玉城デニー知事には、重点措置の効果を検証した上で、場合によっては踏み込んだ対策を取ることを求めたい。

 現時点で緊急事態宣言に踏み込まない理由に知事は、1人が何人感染させるかを示す「実効再生産数」が1を下回っていることを挙げる。とはいえ、0・98と目安の数値に肉薄する。

 沖縄セルラー電話がスマートフォンの位置情報を基に国際通りなどで行った人出分析調査で、重点措置適用の効果は見られたものの前回の緊急事態宣言時には及ばなかった。

 「まだら」「小出し」の対策では効果は薄い。

 来週には、多くの人が休みに入るゴールデンウイークが始まる。県外からの来県者が増えれば、感染拡大のリスクは高まる。

 ここで、何としても感染拡大を食い止めなければならない。玉城知事には、先を見据えたコロナ対策に力を尽くしてほしい。

■    ■

 菅義偉首相は23日、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に緊急事態宣言の発出を決めた。宣言は3回目。大阪などに適用した重点措置は十分効果を上げられなかったということだ。

 2回目の緊急事態宣言を解除した3月、菅首相は「再び宣言を出すことはないように対策を取る」と明言したが結果的に実現できず、この日「大変申し訳ない思いだ」と謝罪した。

 記者会見で首相は「対策を短期間で集中して実施する」と強調した。宣言期間の25日から5月11日まではわずか17日間。短期間でウイルスを押さえ込むことができるのか懸念される。

 感染者が大幅に減少している英国は長期にわたるロックダウン(都市封鎖)を実施すると同時に、ワクチン接種を迅速に進め、人口のおよそ半数が1回目の接種を終えている。日本のワクチン接種率はわずか1%の低水準だ。

 菅首相にはワクチン接種を早急に進め、手厚い経済支援を行うなど実効性のある対策を行ってほしい。

■    ■

 感染者が急増している大阪府の医療機関は一般診療に支障が出るなど、医療崩壊の状態にある。

 県内もよそごとではない。

 これまで官民が協力してコロナ病床を確保してきたが、感染拡大で限界寸前の状況にある。

 23日には高齢者3人の死亡が発表された。これ以上、犠牲者を出してはならない。

 玉城知事にはリーダーシップを発揮してほしい。

 県民が危機感を共有するためにも、県民向けの明確なメッセージが必要だ。

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