【宜野湾】沖縄県の読谷村波平で「Tobira Cafe(トビラカフェ)」を経営し、売り上げを通じてアフリカ・ルワンダのシングルマザーと子どもたちを支援している阪大生の山田果凜さん(19)が21日、宜野湾高校で1、2年生に講演。タイに移住後に引きこもりとなった中学時代や自分を変えた7歳の少年「アルソン君」との出会いを紹介し「できるかどうかではなく、自分がどうしたいかが大切」と思いを伝えた。地域の課題について調べ、自分なりの解決策を提案する同校の2021年度「マイプロジェクト」の授業の一環。

「世界中の子どもたちが自由に自分の未来を描ける社会を創りたい」と語る山田果凜さん=4月21日、沖縄県立宜野湾高校

メモを取りながら聞き入る高校生=4月21日、沖縄県立宜野湾高校

「世界中の子どもたちが自由に自分の未来を描ける社会を創りたい」と語る山田果凜さん=4月21日、沖縄県立宜野湾高校 メモを取りながら聞き入る高校生=4月21日、沖縄県立宜野湾高校

 山田さんは兵庫県出身。10年に両親とタイへ移住し現地の進学校に入学したが、1カ月足らずで不登校に。発達障がいがあり「何でも納得しないと行動できない性格」だといい、勉強する理由が分からず2年間引きこもった。

 転機は、父と訪れたインドで出会った鉛筆売りの「アルソン君」。観光客から学んだ5カ国語を駆使し「仲間が生活のために臓器を売らなくても済むように」と懸命に働いていたという。

 山田さんは、アルソン君を養子に迎え入れるよう父に頼んだが、ホテルのロビーでたまたま隣にいたインド人の女性に「アルソン君が100人いたら、あなたどうするの?」と問われ、悩んだという。山田さんはボランティア活動に打ち込むようになり「ごみ箱で冷たくなった赤ちゃんもいるけど、『シェフになる』と言って夢をかなえた少年もいる。命の可能性は無限大。一生懸命生きよう」と考え直したと振り返った。

 今も「アルソン君のように目的を持って生き切りたい」という山田さん。世界中の子どもたちが自由に自分の未来を描ける社会を創りたいと、昨年9月に始めたトビラカフェについて「目的と手段は入れ替りがちなので『誰のためにやっているんだっけ』と何度も確認している」「できる、できないじゃなく、自分がどうしたいか。そのために努力しています」と語った。

 引っ込み思案だという2年の比嘉茶亜裟(さあしゃ)さんは、なぜ大きな決断ができるのかと質問。山田さんは同じインド人女性に「世界が動くのは、100人がうなずいた時よりも1人が覚悟を決めた時。あなたがいる社会を、あなたが変えていきなさい」と諭されたと経験を語った。

 2年の島袋鈴菜さんは「何をしたらいいか課題が見つからない」と相談。山田さんは「なんとかしたいというマインドでいれば、きっと課題は見えてくる。何か困っていることがないか、まずは友だちに聞いてみて」と助言した。