[命ぐすい耳ぐすい 県医師会編](1253)

 ~ある日の診察室から~

 -足(脚)の症状で悩まれているようですね。

 「先生、そうなんです。妊娠後から足の血管がコブのように膨らんでいるのが気になっていたのですが、最近は足のむくみがひどく、とても疲れやすくなりました」

 -かゆみや足がつるといった症状はないですか。

 「時々あります」

 -立ち仕事をしていますか。

 「デパートの販売員です」

 -なるほど。足の血管をエコー診断装置で診てみましょう。

    ***

 -検査、お疲れさまでした。典型的な下肢静脈瘤(りゅう)でした。足の表面近くにある静脈の血流が悪くなる病気です。静脈の内部には逆流防止のための一方弁が所々にあります。いろいろな原因でこの静脈弁が壊れてしまうことがあるのです。すると静脈内の血液が同じ場所に滞ってしまい血の巡りが悪くなります。

 「私の足は、どうなってしまうのでしょうか」

 -この病気は命に関わったり、直ちにひどい後遺症を残したりするものではありません。症状が軽い場合、治療の必要がないことがあります。一方で、むくみやだるさなどの症状が強く出る方もいます。また、放っておくとくるぶしの近くが熱を持って腫れるうっ滞性皮膚炎を併発する方もいます。

 「どんな治療法がありますか」

 -まずは弾性ストッキングを着用する静脈圧迫療法があります。根本的な治療ではありませんが、適切な商品を使用することで、症状の改善が期待できます。

 「手術は必要ですか」

 -症状の程度やトラブルを起こしている静脈弁の部位によります。股の近くや膝の裏にある静脈弁は特にトラブルを起こしがちなのですが、こうした典型的な病状の患者さんは手術による治療効果が期待できます。近年ではレーザー装置を利用することで、日帰り治療ができるようになりました。硬化剤を静脈内に注入する方法もあります。いずれにせよ、病状に合った適切な方法を選択して行います。(平沼進 大浜第一病院=那覇市