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「患者にうつしてしまうかも」 医療従事者の接種、3割止まり 自治体もやきもき

2021年5月1日 08:52

 新型コロナウイルスの医療従事者向けワクチン接種が遅れている。沖縄県内では3月5日の開始から2カ月近くがたったものの、免疫獲得に必要な2回目の接種を終えているのは約2万人で、対象の医療従事者全体の約3割にとどまる。ワクチンを打たず発熱患者の対応をする医療従事者からは不安の声が上がる。65歳以上の高齢者へのワクチン接種にも影を落とし、自治体の担当者はやきもきしながらワクチン供給を待つ。(社会部・玉城日向子)

(資料写真)那覇市の上空写真

 県は当初、5月中に優先接種対象の医療従事者の接種を終える計画だったが、6月中旬にずれ込む見通しだ。県の担当者は「想定よりワクチン到着が遅いため」と説明。内閣官房のワクチン担当者は「世界的にワクチン需要が高まり、日本は当初、十分な確保ができなかった。5月上旬には改善される見通し」と話す。

 優先対象の県内医療従事者約5万7千人のうち、30日時点で1回目の接種は約3万2千人(約56%)、2回目は約1万7千人(約30%)が終えた。首相官邸のホームページによると、全国では、医療従事者約480万人のうち、23日時点で2回目の接種を終えたのは約87万8千人(約18%)という。

 医療従事者に接種が行き届かないまま、多くの自治体は高齢者の集団接種を迎える。約2割しか2回接種をしていない本島南部のある病院は、高齢者の集団接種に医師や看護師を派遣する予定。看護師からは「もし自分が感染していたら、患者にうつしてしまうかもしれない不安がある。早くワクチンを打ちたい」との声が上がる。

 厚生労働省は、高齢者分のワクチンの医療従事者への転用を認めている。本島中部の自治体担当者は「高齢者分を医療従事者に回したいが、高齢者も待ったなし。ワクチンを2回打たなければ集団接種会場に行きたくないという医師もおり、どうしたものか」と頭を抱える。

 市町村は管轄内の医療従事者で、どの程度接種が進んでいるか把握できない。那覇市の担当者は「高齢者などへの感染リスクを減らし、安心して接種を行えるよう、県は早めに医療従事者への接種を終わらせてほしい」と求めた。

7月末の接種 県「見通せず」

 高齢者ワクチン接種で、厚生労働省は30日、免疫獲得に必要な2回目の接種を7月末までに終えるよう計画前倒しを各自治体に要請した。県の担当者は「7月末までに接種を終わらせる体制が整うか見通せない。マンパワーが足りず厳しい」との認識を示した。本紙の41市町村調査では、13日時点で多くが接種終了を8月中と見通し、一部の市は「年内いっぱい」「未定」と回答していた。

 政府は30日、高齢者ワクチン接種の「基本配分計画」を発表。5月24日の週から2週間で、県内には13万9230回分(119箱)が配送される。6月7日からは14万3910回分(123箱)、同21日からは14万400回分(120箱)が割り当てられる。

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