憲法記念日の3日、那覇市の琉球新報ホールで開かれる第55回憲法講演会(主催・県憲法普及協議会など)で、群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春医師(57)=南城市出身=が講演する。演題は「基地なき平和な沖縄への道標-医師が沈黙を破るとき」。医師に最も重要なのは「戦争をさせないこと」と非戦の思いを胸に、平和を維持し促進する行動の大切さを語る。

医師として最も大事なことは「戦争をさせないこと」だとし、非戦を訴える意義を語る徳田安春医師=4月30日、浦添市・群星沖縄臨床研修センター

 早くからPCR検査の拡充など新型コロナウイルス対策の充実を訴えてきた徳田医師。平和活動は医師こそ重要だと意識したのは、2017年に105歳で他界した聖路加国際病院(東京)元院長の故日野原重明さんの言葉からだった。

 3年間勤めた同病院を離れる09年春、自身の送別会で医師にとって最も大事なことを尋ねると、日野原さんは哲学者カントの言葉を引用し「戦争をしない」不戦ではなく、「させない」非戦が重要だと説いた。戦争で傷付いた人々、米軍基地を巡る事件事故や環境汚染、騒音被害なども医療従事者が関わる。「非戦」こそ「命を守る究極の予防医学」だと気付かされた。

 以来、平和活動に携わり、戦争は軍人以上に多くの民間人が犠牲になると知り「軍隊は民間人を守らない」との思いを強くした。「米軍基地がある沖縄は戦争をさせているようなもの。沖縄は不戦の立場であっても、非戦ではない。自衛隊が守るという発想も危うい」と指摘する。

 講演会の演題には自身の思いを込めた。「沈黙は政治的であり賛成を意味する。戦争犠牲者を診る医療者こそ、沈黙を破るべきだ」

 講演会の受け付けは終了している。